測定について

ある物理量(長さや質量など)を求める際に、測定を行います。

測定を行なっていて感じることは、測定した値はどの程度正しいのだろうか?ということです。

例えば、あるものの長さを定規で測定した際、

3.2cmなのか、3.23cmなのか

とどこまで書けばいいかわからなくなります。

そもそも、計測した値にどの程度意味があるのかが疑わしくなります。

そこで、測定について考えてみましょう。

 

誤差とは

 

あるものの長さを定規で測る場合を考えましょう。

測る物の真の長さをxだとしましょう。

測定の目標はこの真の長さxを知ることです。

ただ、当たり前ですが、真の値を得るのには限界があります。

例えば、

 x=3.242131232mm

だとしても、こんなに細かく定規で測ることは無理でしょう。よって、

測定には限界があり、限界を知ることが重要だ

ということを理解しておくことが重要です。

 

測定してみよう

 

では、長さを測定してみましょう。まず、はじめに測定したら

 x_{1}

が得られたとします。この値は当然ですが真の値と異なります。どのくらい異なるかをしるため

 \Delta x_{1}=x-x_{1}

と差をとり、誤差と定義します。この誤差をいかに少なくするかが正確な測定で重要となります。ただ、正確な値を得ようとするほど、測定にお金がかかるのでその兼ね合いが重要です。

 

一回の測定だけだと再び同じ値が取れるかが不安です。そこで、n回測定したとします。

すると

 \Delta x_{i}=x-x_{i},i=1,2,3,\cdots,n

n個の測定値が得られます。当然ですがこれらの値はバラバラの値をとります。

これらのデータから真の値を推測するには

 \displaystyle\bar{x}=\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}x_{i}

と平均値をとります。もちろん、平均値と真の値は異なります。

 

測定のばらつきを知る

 

測定のばらつき具合は測定の仕方で異なります。そこで、測定のばらつきの度合いを計算してみましょう。

測定値のばらつきを調べるために平均値との差

 x_{i}-\bar{x},i=1,2,3,\cdots,n

をとり、残差と呼びます。この残差の平均をとればバラつき度合いが得られそうです。そこで平均をとると

 \displaystyle\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}x_{i}-\bar{x}=\bar{x}-\bar{x}=0

となってしまいます。残差はプラスとマイナス両方の値をとるためです。そこで、二乗の平均をとります。

すると

 \displaystyle\sigma^{2}=\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}(x_{i}-\bar{x})^{2}

となります。この値を分散と呼びます。

 

ただ、分散をばらつきの度合いとしてもいいのですが、二乗しているので単位が測定値の二乗になってしまいます。そこで、平方根をとって

 \sigma=\sqrt{\sigma^{2}}

として標準偏差と呼びます。

 

測定の場合は何度も測定して平均値と標準偏差を結果としてだします。

正確かつ精密な測定

データ数nを測定で増やしていけば、平均値\bar{x}は一定値に収束していきます。

ただ、真の値と同じになるとは限りません。そこで、

 \delta=x-\bar{x}

は誤差となります。この\deltaが小さい測定のことを正確な測定(accurate)とよびます。

一方、標準偏差が小さい測定を精密な測定(precise)と呼びます。

 

\deltaは真の値がわからないと知ることができません。

ですから、正確な測定を追求することは難しいといえます。

一方、精密な測定の場合は標準偏差でわかるので、精密な測定を追求することは比較的容易ということができます。

実際に実験値を解析してみよう

最後に実験値から平均値と標準偏差を計算してみましょう。

まず、データ

 1,2,2,3,7

が得られたとします。平均値は

 \displaystyle\bar{x}=\frac{1}{5}(1+2+2+3+7)=3

となります。一方、分散は

 \displaystyle\sigma^{2}=\frac{1}{5}(4+1+1+0+16)=4.4

となり、標準偏差は

 \sigma=\sqrt{4.4}=2.1

が得られます。よって、測定値は3\pm 2となります。

著者:安井 真人(やすい まさと)