デカルト座標系と位置ベクトル、速度、加速度

力学のはじめの方では、質点という大きさはないが質量はある物質の運動を考察します。

質点の位置を表すには座標系を設定する必要があります。

座標系も設定の仕方でいくらでもつくれます。

ここでは、最も基本的な座標系であるデカルト座標系について説明します。

そして、位置ベクトル、速度、加速度について解説します。

 

デカルト座標系

 

デカルト座標系、またの名を直交座標系といいます。

ちなみにデカルトとは下の画像の人で有名人です。

デカルトの写真

「我思う、ゆえに我あり」

という意味不明の名言!?で有名な人物です。

 

はなしはそれましたが、デカルト座標(直交座標系)とは

直角座標

のように軸が直行した座標で高校でもあたりまえのように使った座標です。

座標の中心を原点といい、x軸、y軸、z軸は右ネジの法則に従います。

 

単位ベクトル

位置を指定するにはx,y,zの3点を指定します。

例えば

 \mathbf{r}=\left(\begin{array}{c}1\\1\\2\end{array}\right)

なら

点の指定

を指定したことになります。

 

大学ではベクトルは矢印表記ではなくて太字で表記します。

ノートに描くときはどこか一本線を余分にひいて太字にみせましょう。

こんなかんじです。

太字をノートにかいた例

デカルト座標系において

 \mathbf{i}=\left(\begin{array}{c}1\\0\\0\end{array}\right),

 \mathbf{j}=\left(\begin{array}{c}0\\1\\0\end{array}\right),

 \mathbf{k}=\left(\begin{array}{c}0\\0\\1\end{array}\right)

となるベクトルを単位ベクトルと呼びます。

 

デカルト座標系の単位ベクトルには

 |\mathbf{i}|=|\mathbf{j}|=|\mathbf{k}|=1,

 \mathbf{i}\cdot\mathbf{j}=\mathbf{i}\cdot\mathbf{k}=\mathbf{j}\cdot\mathbf{k}=0

という性質があります。つまり、長さは1でx,y,z軸はそれぞれ直交することをいっています。

 

また、単位ベクトルを使えば

 \mathbf{r}=\left(\begin{array}{c}1\\1\\2\end{array}\right)=1\mathbf{i}+1\mathbf{j}+2\mathbf{k}

と表記することも可能です。

位置ベクトル、速度、加速度

デカルト座標系を使えば、ある時刻tの質点の位置を

 \mathbf{r}(t)=\left(\begin{array}{c}x(t)\\y(t)\\z(t)\end{array}\right)

と表記できます。

また、時刻t+\Delta tの質点の位置は

 \mathbf{r}(t+\Delta)=\left(\begin{array}{c}x(t+\Delta t)\\y(t+\Delta t)\\z(t+\Delta t)\end{array}\right)

となります。よって、時刻tから時刻t+\Delta tの間の変位は

 \Delta\mathbf{r}=\mathbf{r}(t+\Delta t)-\mathbf{r}(t)

とかくことができます。

微小時間⊿tの変位⊿r

平均速度は変位を時間で割ったものなので

 \displaystyle\frac{\Delta\mathbf{r}}{\Delta t}

が得られます。ここで\Delta t\to 0の極限をとったものが速度となります。

 \displaystyle\mathbf{v}(t)=\lim_{\Delta t\to 0}\frac{\mathbf{r}(t+\Delta t)-\mathbf{r}(t)}{\Delta t}=\left(\begin{array}{c}\displaystyle\lim_{\Delta t\to 0}\frac{x(t+\Delta t)-x(t)}{\Delta t}\\\displaystyle\lim_{\Delta t\to 0}\frac{y(t+\Delta t)-y(t)}{\Delta t}\\\displaystyle\lim_{\Delta t\to 0}\frac{z(t+\Delta t)-z(t)}{\Delta t}\end{array}\right)

簡単にいうと

 

位置ベクトルの各成分を時間で微分すれば速度になります。

 

加速度ベクトルも同様にして、速度を時間で微分すればOKです。

 \displaystyle\mathbf{a}(t)=\lim_{\Delta t\to 0}\frac{\mathbf{v}(t+\Delta t)-\mathbf{v}(t)}{\Delta t}

問題

質点の位置ベクトルが

 \mathbf{r}(t)=\left(\begin{array}{c}t\\1\\-t^{2}\end{array}\right)

で表される際の速度と加速度を求めましょう。

解答

速度は、位置ベクトルを時間で微分すればいいので

 \mathbf{v}(t)=\left(\begin{array}{c}1\\0\\-2t\end{array}\right)

となります。さらに時間で微分すれば

 \mathbf{a}(t)=\left(\begin{array}{c}0\\0\\-2\end{array}\right)

と加速度も得られます。

著者:安井 真人(やすい まさと)