運動の法則

力学の基本はアイザック・ニュートンによって確立されました。

ニュートンの肖像画は以下の通りです。

ニュートンの顔

りんごが落ちたのをみて重力の存在に気がついた人らしいです。

ここでは、ニュートンが見つけた運動の法則を説明します。

 

運動の第一法則:慣性の法則

 

質点に力を加えないと等速直線運動をします。

これを慣性の法則(運動の第一法則)といいます。

玉を転がすと転がり続けますよね。

あれが慣性の法則です。(実際には摩擦があるのでそのうち止まります)

こんな当たり前のことをニュートンはドヤ顔で一般の人に話していると考えると笑えますね。

ボールは転がり続ける

 

運動の第二法則:運動方程式

 

慣性の法則だけでドヤ顔をするのは危険だと考えたニュートンは、

「質点に力を加えると速度が力を加えた方向へ変化すること」

を見出しました。

ボールを蹴ったら、ボールの速度が上昇して遠くへ飛びますよね。

だからニュートンは

質点の速度変化は質点にかかる力に比例する

と考えました。これを数式で書くと

 \Delta\mathbf{v}\propto\mathbf{f}

となります。

サッカー少年

また、力を長い時間\Delta t加えれば質点の速度変化も大きいので、

 \Delta\mathbf{v}\propto\mathbf{f}\Delta t

と考えました。これより、力は

 \displaystyle\mathbf{f}=m\frac{\Delta\mathbf{v}}{\Delta t}

となります。ここでmは比例定数で質量とよびます。単位はキログラム(kg)です。さらに、極限をとれば

 \displaystyle\mathbf{f}=m\frac{d\mathbf{v}}{dt}

が得られます。この式を運動方程式と呼びます。

 

ちなみに

 

運動方程式に慣性の法則は入っています。

力を\mathbf{0}とすれば、

 \displaystyle m\frac{d\mathbf{v}}{dt}=\mathbf{0}

となり、質量で割れば

 \displaystyle\frac{d\mathbf{v}}{dt}=0

となり、速度の時間変化がありません。つまり、速度は一定となります。

これは慣性の法則を述べていることに変わりありません。

 

運動の第三法則:作用・反作用の法則

 

よく思春期になるといらいらして壁を叩く人が現れます。

壁を叩くと壁が破壊されます。

まあ、これだけならいいのですが、

 

強く壁を叩き過ぎると自分の手も破壊されます。

ニュートンはこのことから、

「力を加えると、加えた量と同量の反動がある」

と考えました。壁を叩く例で言えば、壁に力を加えると、手に反動が生じるとなります。

これが運動の第三法則(作用・反作用の法則)です。

 

上の例を質点で考えましょう。いま2つの質点AとBがあったとします。

作用と反作用

そして、質点Aが質点Bに作用する力を\mathbf{f}_{AB}とすると、質点Bの運動方程式は

 m_{B}\mathbf{a}_{B}=\mathbf{f}_{AB}

となります。一方、質点Aの運動方程式は

 m_{A}\mathbf{a}_{A}=-\mathbf{f}_{AB}

となります。作用・反作用の法則より、質点Aも質点Bから力を受けており、その力は

 \mathbf{f}_{BA}=-\mathbf{AB}

となります。これが作用・反作用の数学的な記述となります。

また、力は質点AとBを結ぶ直線上に平行に存在します。

 

力が複数はたらく場合

力が質点に複数はたらく場合の運動方程式は

 \displaystyle m\frac{d\mathbf{v}}{dt}=\sum_{i=1}^{n}\mathbf{f}_{i}

となります。

ただ加えた力をすべて足せばOKです。

そして、この足しあわせた力を合力といいます。

著者:安井 真人(やすい まさと)