細胞の大きさや形

定規

 生物は細胞という単位で構成されているという共通性があります。では、細胞の大きさや形もほとんど同じようなものなのでしょうか。ここでは、様々な生物の細胞の見た目(大きさや形)について紹介します。

大きさの単位

 大きさを表すのに、様々な単位があります。基本的に単位が「m(メートル)」です。1mはだいたいあなたの身長の半分くらいです。ただ、小さいものをあらわしたり、大きいものを表すのにメートルだけを使うと不便です。例えば、「0.004mの大きさ」のように表記や口にするのが面倒です。そこで、

  1. k(キロ)=103
  2. m(ミリ)=10-3
  3. μ(マイクロ)=10-6
  4. n(ナノ)=10-9

などの接頭語が用意されています。昔からの慣習か知りませんが、3桁ごとに接頭語が用意されています。使い方ですが、例えば先ほどの0.004mなら4mmとなります。0.00010mなら100μmとなります。上記に述べた4つの接頭語はよく使用するので覚えておきましょう。あと、c(センチ)も生活でよく使用します。センチは3桁ごとではありません。1cm=10mmとおぼえましょう。

細胞の大きさ

 細胞の大きさは実に様々です。例えば、スーパーに売っている「うずらの卵」も細胞です。細胞は小さく目にみえないものだと思われがちですが、うずらの卵のように数cmの細胞だってあるのです。

うずらの卵(Wikipediaより)

うずらの卵(Wikipediaより)

 私たちの血に含まれる赤血球(せっけっきゅう)も細胞です。大きさは7μmくらいです。人の目で見える限界はだいたい100μm(髪の毛サイズ)なので、赤血球は目では見えません。光学顕微鏡を使えば観察可能です。

左から赤血球、血小板、白血球

左から赤血球、血小板、白血球

上の図を見てもらうとわかるのですが、血の中には赤血球の他にも血小板や白血球がふくまれています(走査電子顕微鏡でとっているので色はついていません)。それぞれ形も違えば機能も異なる細胞です。

細胞の形

 人の血の画像からわかると思いますが、細胞は大きさだけでなく形も様々です。例えば、大きさが0.2mmくらいのゾウリムシも細胞なのですが実に複雑な形をしています。

ゾウリムシ(Wikipediaより)

ゾウリムシ(Wikipediaより)

 ゾウリムシは鞭毛(べんもう)を動かすことで水中を泳ぎます。細胞の縁に小さい毛があるのが見えると思います。それが鞭毛です。ゾウリムシは形が草履(ぞうり)に似ていることからその名前がついています。

 ゾウリムシの行動は見てて面白いです。基本的に直進的に動くのですが、壁に当たると交代して向きを変えます。また、たまに自発的に泳ぐ方向を変えてます。そして、この方向変換頻度は最適な場所にいるときに最も高くなります。そのため、嫌いな場所ではスーッと通りぬけ、好きな場所でうろちょろして留まるようになります。非常によく設計されているのです。

 他にもアメーバという生物も複雑な形をして動いています。サイズは500μmくらいです。アメーバは仮足(かそく)と呼ばれる足を伸ばしながら移動していきます。

Amoeba proteus (Wikipediaより)

Amoeba proteus (Wikipediaより)

 細胞の大きさと外部とのやりとり

 細胞のサイズには様々な大きさがあることがわかりました。しかし、実際には多くの細胞は10μmくらいとかなり小さいです。では、なぜこれほどまでに小さい細胞が多いのでしょうか?この疑問について少し考えます。

 簡単のため1辺aの立方体の細胞について考えます。この細胞の体積と面積は

  1. 体積:V=a^{3}
  2. 面積:S=6a^{2}

となります。さて、細胞は外部とのよりとりを円滑に行う必要があります。

外部とのやりとりをしやすくするためには、表面積を大きくし体積を小さくするのが有効です。

もし、表面積が小さいと外部の情報を取得できる量が減ります。一方、体積が大きいと、情報を細胞全体に伝えるのに時間がかかります。以上のことから、体積と面積の比

 \displaystyle r=\frac{V}{S}=\frac{a}{6}

をなるべく小さくするといいことがわかります。このことから、細胞はなるべく小さめになるよう進化してきたのだと推察されます。

著者:安井 真人(やすい まさと)