生体内で最も多い物質は水です。細胞においては少ないもので65%、多いもので95%も含まれています。よって、水について理解することは、生命を理解する上で極めて重要だということがわかります。ここでは水の性質について学習します。

水の分子構造

 まず、水の分子構造はH2Oとなっており、水素元素2つと酸素元素1つからなっています。以下のように酸素原子に水素2つが共有結合しています。

水の分子構造(Wikipediaより)

水の分子構造(Wikipediaより)

角度は104.45°で、水素原子と酸素原子の距離は95.84pmとなっています(pはピコと読み10-12)。モル質量は水素が1g/mol、酸素が16g/molなので、18g/molとなります。

水の性質

 水分子は極性をもっています。極性とはマイナスとプラスに偏りがあるということです。酸素原子は水素原子よりも負電荷を引き寄せる性質があります(電気陰性度が酸素原子は大きい)。よって、酸素原子にマイナス、水素原子にプラスという偏りがあります。よって、水にはイオンなどの極性分子は溶けやすく、油などの非極性分子は溶けにくいという性質があります。

 また、水の比熱は大きいです。比熱とは、物質1gの温度を1°C上げるのに必要な熱量のことをいいます。水の比熱は4.2J/g・Kとなっています。ここで、Kはケルビンという単位で°Cのようなものです。

°C+273=K

となっています。例えば、27°Cなら300Kです。Jはジュールでエネルギーの単位です。シリコンオイールの比熱は1.8J/g・Kで、鉄の比熱は0.4J/g・Kです。これらのことから水は高い比熱をもっていることがわかります。つまり、水は熱しにくく冷めにくいという性質があります。温度を安定化させるのに有効な液体であるともいうことができますね。生物の材料としては最適です。

著者:安井 真人(やすい まさと)