新・物理入門(駿台受験シリーズ)

 高校で習う物理を体系づけてまとめた参考書です。タイトルに「入門」とありますが、内容はけっして容易ではないので、物理初学者がいきなり本参考書にとりかかると挫折するのでおすすめできません。しかし、内容はきちんとまとまっているので、辞書や教科書としての使用が可能です。ここでは新・物理入門の良い点や悪い点を紹介します。

本書の内容

 本書は、力学、熱力学、波動、電磁気、光学など高校で習う物理のすべてを解説しています。本書をもっていれば、高校の物理を把握できるので辞書としてもっておくといいでしょう。ここでは、「力学」に絞って本書の利点やデメリットを述べます。

数学を惜しみなく使用する

  本書は読者に数学の理解があろうとなかろうと、必要があれば数学を惜しみなく使用します。数学を惜しみなく利用することで、力学がすっきり理解できるのがメリットです。例えば、力学では、ベクトルやベクトルの微分積分を使用すると、体系が綺麗にまとまります。ただ、運動方程式を立てて、その微分方程式を解くだけだということに気づくことができます。物理をしっかり理解したい人に本書はおすすめです。

 一方、ベクトルや微積分をまだ理解していない人には本書はおすすめできません。というか、たぶんすぐに挫折すると思います。物理学は基本的に数学の力が必要です。数学を十分に学習していない人は、まず数学の学習をしっかりしてから物理の勉強をしましょう。その方が効率的ですから。

あっさりして無機質な見た目

 本書の内容はかなりドライな感じです。とくにキャラクターのようなユニークなキャラは本書には一切でてきません。文章体も「である体」なので、まさに教科書といっていいでしょう。この完結さはとっつきにくさはあるのですが、完結で無駄がないということもできます。はじめは気に入らないこともあると思いますが、読めば読むほど味の出る参考書です。

大学へ行っても案外使える

 大学へいって研究する際も、本書程度の内容を理解していると結構役に立ちます。現象を記述する際に微分方程式をたいてい使用します。本書でしっかり微分方程式での現象の記述をできるようになっておくと、研究の際に現象を解析する際の役に立ちます。

 

著者:安井 真人(やすい まさと)