クーロン力

電気

 電磁気学のはじめにクーロン力について説明します。引力の話と似ているので、それほど難しい話ではないと思います。ここではクーロンの法則と重力との違いについて解説します。

クーロンの法則

 質点は質量の他に電荷を持つことができます。電荷には正の電荷と負の電荷が存在します。電荷の単位はクーロン[C]です。今、点電荷1と2があり、それぞれの電荷をq_{1},q_{2}とします。そして、点電荷1の位置を原点として、点電荷2の位置を\vec{r}とします。

クーロンの法則

このとき、電荷q_{1}を持つ質点1が電荷q_{2}を持つ質点2に与える力は

 \displaystyle\vec{F}=k\frac{q_{1}q_{2}}{r^{2}}\frac{\vec{r}}{r}・・・(1)

となります。ここで\vec{r}は質点1から質点2への位置ベクトルで、r=|\vec{r}|です。kはクーロン定数と呼ばれk=8.99\times10^{9}[Nm^{2}/C^{2}]です。

 \displaystyle k=\frac{1}{4\pi\epsilon_{0}}

\epsilon_{0}を使って表す場合もあります。\epsilon_{0}真空における誘電率といいます。そして、式(1)をクーロンの法則といいます。式(1)をみてわかるとおり、同電荷の場合は反発しあい、異なる電荷の場合はひきつけ合います。

引力との比較

 式(1)は万有引力と似ていると感じた方も多いのではないでしょうか?万有引力と異なる点は電荷の符号により引き合う力と反発する力の両方を出せる点です。また、原子の世界では質量と電荷はそれぞれ電子の場合

 M=9.1\times 10^{-31}kg,

 e_{0}=1.6\times10^{-19}C

であり、重力\vec{F}_{G}とクーロン力\vec{F}_{C}の大きさの比は

 \displaystyle\frac{|\vec{F}_{G}|}{|\vec{F}_{C}|}=\frac{\displaystyle G\frac{M^{2}}{r^{2}}}{\displaystyle k\frac{e_{0}^{2}}{r^{2}}}=\frac{GM^{2}}{ke_{0}^{2}}\approx \frac{10^{-7}\times10^{-31}\times10^{-31}}{10^{10}\times10^{-19}\times10^{-19}}=10^{-41}<<1

となり、重力は原子レベルではクーロン力と比べてほとんど無視できることがわかります。

著者:安井 真人(やすい まさと)