電場と電位の関係

山

 電場から電位を計算できることがわかりました。ここでは、電位から電場を計算できるようにします。二次元の微分である偏微分を使うので、少し事前に勉強しておくといいでしょう(といってもただ平面で近似しただけです)。

電場を電位で表現する

 まず、電位の定義は

 \displaystyle V(\vec{r})=-\int_{\vec{r}_{0}}^{\vec{r}}\vec{E}\cdot d\vec{r}

でした。ここで位置を\vec{i}\Delta xずらした電位との差を取ると

 \displaystyle V(x+\Delta x,y,z)-V(x,y,z)\\=-\int_{\vec{r}_{0}}^{\vec{r}+\vec{i}\Delta x}\vec{E}\cdot d\vec{r}+\int_{\vec{r}_{0}}^{\vec{r}}\vec{E}\cdot d\vec{r}\\\displaystyle=-\int_{\vec{r}}^{\vec{r}+\vec{i}\Delta x}\vec{E}\cdot d\vec{r}\\\displaystyle=-\int_{\vec{r}}^{\vec{r}+\vec{i}\Delta x}E_{x}dx+E_{y}dy+E_{z}dz

ここでx方向しか変化しないので、

 \displaystyle V(x+\Delta x,y,z)-V(x,y,z)=-\int_{\vec{r}}^{\vec{r}+\vec{i}\Delta x}E_{x}dx

となります。ここでE_{x}の不定積分をF_{x}とすれば

 V(x+\Delta x,y,z)-V(x,y,z),

 \displaystyle=-\left[ F_{x}(x,y,z)\right] _{\vec{r}}^{\vec{r}+\vec{i}\Delta x},

 \displaystyle=-F_{x}(x+\Delta x,y,z)+F_{x}(x,y,z)

となり、両辺を\Delta xで割れば

 \displaystyle\frac{V(x+\Delta x,y,z)-V(x,y,z)}{\Delta x}=-\frac{F_{x}(x+\Delta x,y,z)-F_{x}(x,y,z)}{\Delta x}

となります。最後に極限\Delta xを取れば

 \displaystyle\frac{\partial V}{\partial x}=-\frac{\partial F_{x}}{\partial x}=-E_{x},

 \displaystyle\Leftrightarrow E_{x}=-\frac{\partial V}{\partial x}

が得られます。同様にして、

 \displaystyle E_{y}=-\frac{\partial V}{\partial y},E_{z}=-\frac{\partial V}{\partial z}

となるので、結局

 \displaystyle \vec{E}(x,y,z)=-\left(\begin{array}{c}\displaystyle\frac{\partial}{\partial x}\\ \displaystyle\frac{\partial}{\partial y} \\ \displaystyle\frac{\partial}{\partial z}\end{array}\right) V(x,y,z)=-\nabla V(x,y,z)

となります。ここで、

 \displaystyle \nabla=\left(\begin{array}{c}\displaystyle\frac{\partial}{\partial x}\\ \displaystyle\frac{\partial}{\partial y} \\ \displaystyle\frac{\partial}{\partial z}\end{array}\right)

ナブラといい電磁気学や流体力学など連続体をあつかうところでよく出てきます。電位のようなスカラ関数にナブラをかけると、スカラ関数の勾配(一次元なら傾き)となるので、

 \nabla f(x,y,z)=\mathrm{grad}f(x,y,z)

とかくことがあります。よって先ほどの式は

 \vec{E}(x,y,z)=-\mathrm{grad}V(x,y,z)

ともかくことができます。

電位から電場を計算

 上記の説明だけだと理解できないと思うので、実際に使って便利さを理解しましょう。習うより慣れろです。いま以下のような電位であることが計算からわかったとします。

 V(x,y,z)=2xy^{2}z^{3}

このとき、この電位がつくる電場を計算します。とりあえず、x,y,zに関してそれぞれ偏微分していきます。すると

 \displaystyle\frac{\partial V}{\partial x}=2y^{2}z^{3},\frac{\partial V}{\partial y}=4xyz^{3},\frac{\partial V}{\partial z}=6xy^{2}z^{2}

が得られ電場は

 \vec{E}(x,y,z)=-\mathrm{grad}V(x,y,z)\\=\left(\begin{array}{c}-2y^{2}z^{3}\\ -4xyz^{3} \\-6xy^{2}z^{2}\end{array}\right)

となります。とても簡単に電位から電場を計算できることがわかるかと思います。

著者:安井 真人(やすい まさと)