剛体

これまで質点という大きさのないものを考えてきました。

ここでは大きさを持つ剛体というものについてお話しします。

剛体は力を与えても変形しない物質をいいます。

質点と同様、実際には剛体は存在しませんが、このような理想化をすることで理論展開を楽に進めることができます。

剛体を扱う際は、剛体をたくさんの質点系として扱います。

いま質点がn個あり、それぞれ1,2,…,nとしましょう。

これらをすべて合わせたのが剛体です。

 運動方程式

この条件のとき、質点系の運動方程式は

【運動方程式】\displaystyle\frac{d}{dt}\sum_{i=1}^{n}m_{i}\vec{v}_{G}=\vec{F}^{(e)}

となります。ここで質点系全体(剛体)の質量をMとすれば

 \displaystyle\frac{d}{dt}M\vec{v}_{G}=\vec{F}^{(e)}

となります。

 

もし力のつりあいの計算をしたかったら

運動方程式より剛体の釣り合いは

【剛体の釣り合いの式】\vec{F}^{(e)}=\vec{0}

により計算できます。

 回転の運動方程式

次に剛体の回転の運動方程式について考えます。剛体の式は

【回転の運動方程式】\displaystyle\frac{d}{dt}\sum_{i=1}^{n}\vec{r}_{i}\times m_{i}\vec{v}_{i}=\vec{T}^{(e)}

となります。

 

剛体の場合は左辺を計算し直す必要がありますが、ここではやっかいなのでやらないことにして、剛体が静止している状態の式を導出します。

剛体が静止していればどんな分割をしようが\vec{v}_{i}=\vec{0}なので

【釣り合いの式】\vec{T}^{(e)}=\vec{0}

となります。

剛体の釣り合いは

 \vec{F}^{(e)}=\vec{0}\\\vec{T}^{(e)}=\vec{0}

を使って解くことができます。

著者:安井 真人(やすい まさと)