極限と連続関数

極限と連続関数

 関数f(x)で興味があるのは、

xがほんの少し変化したら関数値f(x)はどれくらい変化するか?」

です。

 例えば、f(x)が株価だとしてxを時間だとします。この場合、時間が少したったときのf(x)の変化を知りたいわけです。もしf(x)の変化量がわかれば、変化量が高い株を購入すればいいことになりますよね。

 ここでは変化量について知るために、「ちょっとの変化」を表す「極限」という考え方について学びます。また、連続関数という考え方についても解説します。

極限とは

では極限という概念について解説します。

極限

関数f(x)があり、xを限りなくaに近づけることを

 \displaystyle\lim_{x\to a}f(x)

と書き、x\to aのときのf(x)の極限値と呼ぶ。

関数をf(x)=x+1とした場合、

 \displaystyle\lim_{x\to 2}f(x)=\lim_{x \to 2}x+1=2+1=3

となります。

連続関数

上記の例からわかるように、極限値はたいていの場合

 \displaystyle\lim_{x \to a}f(x)=f(a)

となります。ただ、関数に最終的な到達点であるaを代入するだけです。上記の式がいたる点で成り立つ関数を連続関数といいます。つまり、以下のように連続関数は定義されます。

関数f(x)について

 \displaystyle\lim_{x\to a}f(x)=f(a)

が関数f(x)のすべての定義域aで成り立つ関数を連続関数とよぶ。

連続関数の例として

 f(x)=x

があります。この関数なら、あらゆる点x=aにおいて、

 \displaystyle\lim_{x\to a}f(x)=\lim_{x\to a}x=a=f(a)

が成り立ちます。

しかし、上記の式が成り立たない場合が存在します。

例えば

 \displaystyle f(x)=\left\{ \begin{array}{ll} x & ,x\neq 0 \\ 1 & ,x=0 \end{array} \right. ・・・(1)

極限と関数値が一致しない関数

の場合を考えるとf(0)=1ですが、

 \displaystyle\lim_{x\to 0}f(x)=\lim_{x\to 0}x=0

となり、

 \displaystyle\lim_{x\to 0}f(x)\neq f(0)

となることがわかります。よって、この関数は連続関数ではありません。グラフをかけば不連続になっているので一目瞭然ですね。

左極限と右極限

ある値に左から近づけるか、右から近づけるかで極限値が変化する場合があります。そこで、

左・右極限

関数f(x)の定義域内の点x=aにおいて、x<aから近づけた極限を

 \displaystyle\lim_{x\to a-0}f(x)

とかき左極限と呼ぶ。また、x>aから近づけた極限を

 \displaystyle\lim_{x\to a+0}f(x)

とかき右極限と呼ぶ。

という極限を導入します。

実際に、左と右で極限が異なる例を紹介します。その例が

 \displaystyle f(x)=\left\{ \begin{array}{ll} x & ,x\geqq 0 \\ 1 & ,x<0 \end{array} \right.

極限のない関数

です。この関数はx>0の方向から極限を計算すると、

 \displaystyle\lim_{x\to +0}f(x)=0

となります。

一方、x<0から極限を計算すると

 \displaystyle\lim_{x\to -0}f(x)=1

になります。よって、0へ極限をとる方向に依って極限値が変化してしまいます。このように右極限と左極限値が異なるときは極限値は存在しないと定義します。

  • ある値に限りなく近づく操作を極限という
  • 定義域で常に関数値と極限値が一致する関数を連続関数という
  • 値への近づき方で値が変わる関数も存在する

著者:安井 真人(やすい まさと)