有理数

有理数

自然数、整数に引き続き、基本的な数である有理数について解説します。また、有理数の小数での表記方法(例えば、1/3の小数表記など)を紹介していきます。

有理数とは

はじめに有理数の定義から説明します。

有理数

有理数(ゆうりすう)とは

 \displaystyle\frac{a}{b}

のように分数の形に書き表せる数のことである。ここで、aは整数、bは自然数である。

有理数の例として、

 \displaystyle\frac{1}{3}, -\frac{3}{4}

があります。また、

 0,-1,5

なども

 \displaystyle 0=\frac{0}{1},-1=-\frac{1}{1},5=\frac{5}{1}

と分数の形にかけるので有理数となります。

有理数の分母は0にならないので注意しましょう。

有理数を小数で表す

有理数を分数ではなくて小数(しょうすう)の形で書く場合があります。

小数と十進数

有理数a

 a=\cdots+100a_{2}+10a_{1}+1a_{0}+0.1a_{-1}+0.01a_{-2}+\cdots

と表現できるとき、

 a=\cdots a_{2}a_{1}a_{0}.a_{-1}a_{-2}\cdots

と表記でき、小数(しょうすう)と呼ぶ。ここで、a_{i}は0,1,2,3,…,9のどれかである。文字を10個使用することから、この表記法を十進数(じゅっしんすう)と呼ぶ

 \displaystyle \frac{1}{2}=0.5

 \displaystyle\frac{5}{4}=1.25

というように表すことができます。

かなり厳密に定義しましたが、わたしたちが小学校から使っている表記の方法です。こんなかんじで定義されるのか程度で理解してもらえればいいかと思います。

十進数のように文字を10個使わなくてもいいのではと思われた方もいるでしょう。その指摘は正しく、2進数のように文字を2つ使用する表記方法が存在します。コンピュータは0と1により制御されるので、2進数表記が採用されています。例えば、

 10=2^{3}1+2^{2}0+2^{1}1+2^{0}0

なので「1010」が2進数表記となります。ただ、2進数だと長くなるので、人には見づらくなります。そこで、よくプログラミングなどでは16進数(0,1,2,…,9,a,b,c,d,e,f)で数値を表記することが多くあります。例えば、パソコンにおける赤色の表記は#ff0000のようにします。色は2^{8}=256の分解ので色の三原色(赤R・緑G・青B)により表現されます。#ff0000の場合は赤「ff=256」、青「00=0」、緑「00=0」なので赤色を指定したことになります。ちなみに青色は#00ff00となります。

循環小数

では、次の有理数を小数で書くとどうなるでしょうか?

 \displaystyle\frac{1}{3}

これを計算すると

 \displaystyle\frac{1}{3}=0.33333\ldots

となり小数では書き表すことができません。そこで小数でも書けるように

 \displaystyle\frac{1}{3}=0.\dot{3}

という表記法を導入します。

循環小数

0.123123123…のように循環する小数を循環小数という。

 0.\dot{1}2\dot{3}=0.123123\cdots

循環するはじめと最後の数字の上にドットをつけて表記する。

有理数とは分数の形で書ける数であることを押さえておきましょう。確認のため以下の問題を解いてみましょう。

次の循環小数を分数で表せ

 1.\dot{2}\dot{7}

 x=1.\dot{2}\dot{7}

とします。すると

 100x-x=127.\dot{2}\dot{7}-1.\dot{2}\dot{7}=126

となり、

 \displaystyle x=\frac{126}{99}=\frac{14}{11}

となります。

有理数では割り算がいらない

有理数では、割り算がいりません。たとえば、

 5\div 3

 \displaystyle 5\times\frac{1}{3}

と変換できます。有理数へ拡張することにより、割り算という演算がなくなるのです。

有理数は四則演算で閉じている

有理数どうしで

  1. 足し算
  2. 引き算
  3. 掛け算
  4. 割り算

といった四則演算を行っても有理数になります。例えば

 \displaystyle\frac{3}{4}\times 5\div 3-1+10=\frac{41}{4}

と四則演算を行っても有理数となっています。このことから有理数は四則演算において便利な数であることがわかります。

有理数は英語でrational numberといいます。そして、有理数全体の集合は

 \mathbb{Q}

と表記します。

これは、英語の商を意味するquotientの頭文字よりなっています。

有理数でない数

有理数でない数なんてないかと思われるかもしれませんが、有理数でない数はあります。

その例が

  1. 円周率\pi
  2. 平方数\sqrt{2}

です。これらは、分数の形で表記できないので有理数でありません。

  • 有理数とは\displaystyle\frac{a}{b},a\in\mathbf{Z},b\in\mathbf{N}となる数の集合である
  • 有理数はよく小数で表記される
  • 有理数では割り算は掛け算へ変換される
  • 有理数は四則演算で閉じている
  • 循環小数で表記できない数がある(円周率、平方根など)

著者:安井 真人(やすい まさと)