文字式の計算

文字式の計算

小学校の算数では「2+3×2=2+6=8」のような計算をひたすらやらされた覚えがあります。

そして、中学の数学になると「1+2=3」のようなものではなく「x+y=z」といった文字式ばかりになってきます。

この文字ばかりの現象に戸惑った方も多かったのではないでしょうか(そうでもないかな)?

 小学校と中学校

今回は

 3ab^{2}a+2(ba)^{2}

のような計算方法を説明します。

 

計算の法則

計算では多項式の計算における3つの法則

交換法則 a+b=b+a,\ ab=ba

結合法則(a+b)+c=a+(b+c),\ (ab)c=a(bc)

分配法則 a(b+c)=ab+ac, (a+b)c=ac+bc

と指数における法則である

指数法則 a^{m}a^{n}=a^{m+n},\ (a^{m})^{n}=a^{mn},\ (ab)^{n}=a^{n}b^{n}

を使用します。ただし、ここではa,b,cは実数で、m,nは整数です。

たとえば、分配法則を使うことで先ほどの式は

 3ab^{2}a+2(ba)^{2}

 =3aab^{2}+2(ab)^{2}  (積の交換法則)

 =3a^{2}b^{2}+2a^{2}b^{2} (指数法則)

 =(3+2)a^{2}b^{2}  (分配法則)

 =5a^{2}b^{2}

と計算することができます。

 

法則が多くてたいへんそうですが、足し算や掛け算におけるあたりまえの性質なのでなんとなく使えて計算できればOKです。

 

では、はじめての方のために以上4つの法則について簡単に解説します。

交換法則

実数a,bに対して

 ab=ba,\\a+b=b+a

が成り立つというのが交換法則です。簡単にいうと、

かける順番やたす順番はどちらからでもOKという法則です。

例えば、

 3\times 2=6\\2\times 3=6

からもわかるとおり

 3\times 2=2\times 3

です。足し算も同様です。

ちなみに、この法則は足し算や掛け算に対する性質で、証明はできません。

 

結合法則

実数a,b,cに対して

 (ab)c=a(bc),\\(a+b)+c=a+(b+c)

が成り立つのが結合法則です。これを簡単にいうと、

かける順番やたす順番はどれからやってもOK

という法則です。例をあげると

 (1+2)+3=3+3=6,\\1+(2+3)=1+5+6

よりたしかに

 (1+2)+3=1+(2+3)

となります。

分配法則

実数a,b,cに対して

 a(b+c)=ab+ac,\\(a+b)c=ac+bc

となるのが分配法則です。簡単にいうと

括弧外から括弧内へかける場合は全部にかけろ

となります。例をあげると

 2(3-1)=2\times2=4,\\2\times3+2\times(-1)=6-2=4

となり、たしかに

 2(3-1)=2\times3+2\times(-1)

となることがわかります。

指数法則

実数a,bと整数m,nに対して

  1. a^{m}a^{n}=a^{m+n}
  2. (a^{m})^{n}=a^{mn}
  3. (ab)^{n}=a^{n}b^{n}

が成り立つのが指数法則です。複雑ですので、覚える必要はありません。

というのも、これらが成り立つことは、なんとなくわかるからです。たとえば、

 2^{3}\times2^{2}=2\ 2\ 2\ 2\ 2=2^{5}

だから、2^{3}\times2^{2}=2^{3+2}が成り立ちそうだとわかります。また、

 (2^{2})^{3}=(2\ 2)(2\ 2)(2\ 2)=2\ 2\ 2\ 2\ 2\ 2=2^{6}

なので、(2^{2})^{3}=2^{2\times3}でよさそうだとわかります。

さらに、

 (2\times3)^{2}=(2\times3)(2\times3)=2\ 2\ 3\ 3=2^{2}3^{2}

より(2\times3)^{2}=2^{2}3^{3}でいいことがわかります。

 

では以下の文字式を計算してみてください。

  2x^{2}+x-1-x^{2}-3x+3

ちなみに

 x^{2}=x\times x

の意味です。

 2x^{2}+x-1-x^{2}-3x+3

 =(2x^{2}-x^{2})+(x-3x)+(-1+3) (和の交換法則と結合法則)

 =(2-1)x^{2}+(1-3)x+2 (分配法則)

 =x^{2}-2x+2

  abc+a-b-abc+5c+6abc

 abc+a-b-abc+5c+6abc

 =(abc-abc+6abc)+a-b+5c (和の交換法則と結合法則)

 =(1-1+6)abc+a-b+5c (分配法則)

 =6abc+a-b+5c

こつとしては数字の下についている文字が同じものを分配法則でまとめることです。

先ほどの例では、abc,a,b,cの文字があるのでこれら4つについてそれぞれまとめればいいのです。

 -ab^{2}(-2a^{2}c^{3})^{3}

指数法則を使って計算します。

 -ab^{2}(-2a^{2}c^{3})^{3}\\=-ab^{2}((-2)^{3}(a^{2})^{3}(c^{3})^{3})\\=-ab^{2}(-8a^{2\times3}c^{3\times3})\\=-ab^{2}(-8a^{6}c^{9})\\=8a^{7}b^{2}c^{9}

著者:安井 真人(やすい まさと)