展開

展開

今回も文字式の計算を解説します。

今回は特に展開(てんかい)に焦点をしぼって解説します。

展開とは括弧()を全てなくしていく作業です。

展開では前回と同様に分配法則をよく使用するので、マスターしておきましょう。

分配法則

  a(b+c)=ab+ac,(a+b)c=ac+bc

 展開とは

はじめに展開という用語について解説します。

展開

展開(てんかい)とは、文字式における括弧を外す操作のことをいう。

例えば、

 a(x+1)=ax+a

のような操作のことを展開といいます。

展開は計算を多くしてなれるのが大切です。

そこでさっそく問題を解いていきましょう。

以下の式を展開せよ。

 (x+1)(x+2)

まず、(x+1)を文字だと思って、分配法則で計算していきます。

 (x+1)(x+2)=(x+1)x+(x+1)2

さらに分配法則を使っていくと

 (x+1)(x+2)\\=(x+1)x+(x+1)2\\=(x^{2}+x)+(2x+2)\\=x^{2}+(x+2x)+2\\=x^{2}+(1+2)x+2\\=x^{2}+3x+2

となります。面倒ですが、分配法則を使っていけば解けていきます。

教科書にはいろいろな公式がありますが、覚えるのが面倒なら分配法則だけを身につけていれば問題ありません。

ちなみにいい忘れていましたが、分配法則だけではなく

交換法則 a+b=b+a, ab=ba

結合法則 (a+b)+c=a+(b+c)

も使っています。これらの法則を意識して先ほどの問題を解くと

 (x+1)(x+2)\\=(x+1)x+(x+2)2\\=(x^{2}+x)+(2x+4)\\=x^{2}+(x+(2x+4))\\=x^{2}+((x+2x)+4)\\=x^{2}+((1+2)x+4)\\=x^{2}+(3x+4)

となります。最後に括弧がついていますが、結合法則が成り立つのでx^{2}+3xを先に計算しようが、2x+4を先に計算しようが関係ないので

 x^{2}+(3x+4)=(x^{2}+3x)+4=x^{2}+3x+4

と括弧を省略するのが普通です。

もし、結合法則が成り立たなければ省略してはいけませんが、高校数学ではそのような演算は出てこない(たしか)ので安心してください。

 

展開はひたすら分配法則、結合法則、交換法則を使えば解けます。

ただし、今解いたように丁寧に解いていると時間がかかるので、テストで時間が足りなくなるので注意してください。

慣れてきたら、以上の作業を頭の中でして答えだけを書くようにしましょう。

展開の公式

分配法則などから展開は計算できるので特に覚える必要はないのですが、一応、公式をのせておきます。

自分で導けるようにしておいてください。

展開の公式

  1. (a+b)^{2}=a^{2}+2ab+b^{2}
  2. (a-b)^{2}=a^{2}-2ab+b^{2}
  3. (a+b)(a-b)=a^{2}-b^{2}
  4. (x+a)(x+b)=x^{2}+(a+b)x+ab
  5. (ax+b)(cx+d)=acx^{2}+(ad+bc)x+bd
  6. (a+b)(a^{2}-ab+b^{2})=a^{3}+b^{3}
  7. (a-b)(a^{2}+ab+b^{2})=a^{3}-b^{3}
  8. (a+b)^{3}=a^{3}+3a^{2}b+3ab^{2}+b^{3}

(1)かなり詳しくやると以下のようになります。

 (a+b)^{2}=a(a+b)+b(a+b) ←分配法則

 =(a^{2}+ab)+(ba+b^{2}) ←分配法則

 =(a^{2}+(ab+ab))+b^{2} ←積の交換法則、和の結合法則

 =(a^{2}+(1+1)ab)+b^{2} ←分配法則

 =(a^{2}+2ab)+b^{2}

 =a^{2}+2ab+b^{2} ←和の結合法則より括弧を省略できる

(2)

 (a+b)(a-b)=a^{2}-ab+ba-b^{2}\\=a^{2}-b^{2}

(3)

 (a-b)^{2}=a^{2}-ab-ba+b^{2}\\=a^{2}-2ab+b^{2}

(4)

 (x+a)(x+b)=x^{2}+xb+ax+ab\\=x^{2}+(a+b)x+ab

(5)

 (ax+b)(cx+d)=acx^{2}+adx+bcx+bd\\=acx^{2}+(ad+bc)x+bd

(6)

 (a+b)(a^{2}-ab+b^{2})\\=a^{3}-a^{2}b+ab^{2}+ba^{2}-ab^{2}+b^{3}\\=a^{3}+b^{3}

(7)

 (a-b)(a^{2}+ab+b^{2})\\=a^{3}+a^{2}b+ab^{2}-ba^{2}-ab^{2}-b^{3}\\=a^{3}-b^{3}

(8)

 (a+b)^{3}=(a^{2}+2ab+b^{2})(a+b)\\=a^{3}+2a^{2}b+ab^{2}+a^{2}b+2ab^{2}+b^{3}\\=a^{3}+3a^{2}b+3ab^{2}+b^{3}

以上、いろいろ述べましたが、やはり計算はひたすら解くことが重要です。

 ということで、以下にいくつか計算問題をのせておくので解いていきましょう。

以下の式を展開せよ。

  1. (3x^{2}-x-1)(x^{2}+x-2)
  2. (3a-2)^{2}
  3. (x+3)(x-1)
  4. (2x+1)(3x+4)
  5. (x+3)(x-3)
  6. (x+y-z)(x-y+z)
  7. (x+y)(x^{2}+y^{2})(x-y)

(1)

 (3x^{2}-x-1)(x^{2}+x-2)\\=(3x^{4}+3x^{3}-6x^{2})+(-x^{3}-x^{2}+2x)+(-x^{2}-x+2)\\=3x^{4}+2x^{3}-8x^{2}+x+2

はじめの括弧の項を一つづつ右の括弧にかけていきます。

(2)

 (3a-2)^{2}=9a^{2}-12a+4

公式(x+y)^{2}=x^{2}+2xy+y^{2}により瞬時にとけます。覚えていない場合は分配法則で地道にやりましょう。

(3)

 (x+3)(x-1)=x^{2}+2x-3

公式(x+a)(x+b)=x^{2}+(a+b)x+abを知っていればすぐにとけます。

(4)

 (2x+1)(3x+4)=6x^{2}+11x+4

(5)

 (x+3)(x-3)=x^{2}-9

公式(x+a)(x-a)=x^{2}-a^{2}で簡単にとけます。

(6)

 (x+y-z)(x-y+z)\\=(x+(y-z))(x-(y-z))\\=x^{2}-(y-z)^{2}\\=x^{2}-y^{2}-z^{2}-2yz

計算の順番を考えるとはやくとけますね。

(7)

 (x+y)(x^{2}+y^{2})(x-y)\\=(x+y)(x-y)(x^{2}+y^{2})\\=(x^{2}-y^{2})(x^{2}+y^{2})\\=x^{4}-y^{4}

展開する順番がポイントです。

  • 展開とは文字式における括弧をはずす操作をいう
  • 展開は分配法則・交換法則・結合法則により解ける
  • 展開は計算問題を多くやることが大事

著者:安井 真人(やすい まさと)