正弦定理と余弦定理

 三角形の角度と辺との関係を述べたのが正弦定理と余弦定理です。はじめにいっておきますが、これらの定理は覚える必要はありません。というのも、正弦定理は三角形の面積を様々な辺と角で記述しただけですし、余弦定理はベクトルの知識があれば簡単に導けます。ですから、これらの公式を使わずに問題は解くことができます。ここでは、正弦定理と余弦定理というものがあることと、これらの証明を学ぶことが大切です。

 正弦と余弦定理

 では、三角形の辺と角度の関係について考えます。以下、三角形ABCにおいて、頂点A,B,Cの角度をそれぞれA,B,Cと表し、頂点A,B,Cに向かい合う辺をそれぞれa,b,cとします。

外接円

正弦定理

 正弦はsinで、正弦定理はsinと辺との関係を述べた定理です。正弦定理を一言で言うと、三角形の辺aと向かいの角度Aの正弦\sin Aとの関係をのべた定理ということになります。具体的には

正弦定理

外接円

 \displaystyle\frac{a}{\sin A}=\frac{b}{\sin B}=\frac{c}{\sin C}=2R

となり、Rは外接円の半径です。正弦定理を使えば

辺と向かいの角が一組わかれば、外接円の半径や、他の辺と向かいの角の関係がわかります。

正弦定理はすぐ忘れると思うので、「辺と角の関係はどうなっているのか?」と思った時に導けるようにしておきましょう。

三角形で\sinときたら、面積を思い浮かびます。よって、\sin A,\sin B,\sin Cを使って面積をそれぞれ計算します。すると

 \displaystyle S=\frac{1}{2}bc\sin A=\frac{1}{2}ca\sin B=\frac{1}{2}ab\sin C

がえられます。あとは、\displaystyle\frac{2}{abc}をかければ

 \displaystyle\frac{\sin A}{a}=\frac{\sin B}{b}=\frac{\sin C}{c}

と正弦定理が導かれます。

 次に半径Rの外接円との関係を求めます。必ず鋭角になる角はあるのでそれを角Aとします。

すると図のように外接円の中心を取るようにし三角形BCDをつくると

 \displaystyle a=2R\sin A\\\Rightarrow \frac{a}{\sin A}=2R

を得ることができます。

正弦定理の証明

余弦定理

続いて、辺と向かいの角の余弦\cosとの関係をあらわした定理です。

余弦定理

 a^{2}=b^{2}+c^{2}-2bc\cos A

外接円

余弦定理を使えば2辺とその間の角がわかれば向かいの辺の長さがわかります。

余弦定理の証明にはベクトルの考え方をつかいます。まず、図のように座標を

 A(0,0),B(c,0),C(b\cos A,b\sin A)

と設定します。

余弦定理の証明

あとは三平方の定理を三角形BCHへ適応すれば

 a^{2}=|c-b\cos A|^{2}+(b\sin A)^{2}\\=c^{2}-2bc\cos A+b^{2}(\cos^{2}A+\sin^{2}A)\\=c^{2}-2bc\cos A+b^{2}

がえられます。以上で証明終了です。

著者:安井 真人(やすい まさと)