三角形の面積

 三角形の面積は三角比を使うことで、簡単に表現したり計算することが可能です。せっかく三角比を学んだので、三角形の面積を三角比を使用して計算してみましょう。また、ヘロンの公式という、3辺の長さから三角形の面積を計算する公式を紹介します。

三角形の面積

 まず、三角形の面積は

三角形の面積=底辺☓高さ/2

でした。これを使って、以下の三角形の面積を求めます。

面積

 まず底辺をBCとして考えます。よって、底辺はaです。一方、高さは、c\sin Bとなるので、面積は

 \displaystyle S=\frac{1}{2}ac\sin B

と計算できます。このことから以下の公式が導かれます。

三角形の面積

面積

における三角形の面積は

 \displaystyle S=\frac{1}{2}bc\sin A=\frac{1}{2}ca\sin B=\frac{1}{2}ab\sin C

となる。

では、この公式を使って問題を解いていきましょう。

次の三角形の面積を求めよ。

三角形の面積

三角形の面積は「底辺☓高さ/2」なので、底辺と高さを求めます。よって、

 \displaystyle S=\frac{1}{2}\times 4\times 2\sin 60^{\circ}\\=2\sqrt{3}

となります。

 ヘロンの公式

 特に覚える必要もないですが、ヘロンの公式というものが存在します。ヘロンの公式は3辺の長さから三角形の面積を計算する公式です。

ヘロンの公式

2s=a+b+cとすると三角形の面積は

 \displaystyle S=\sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)}

となる。これをヘロンの公式という。

ヘロンの公式を使うと、三角形の各辺a,b,cから三角形の面積を求めることができる便利な公式です。頭の片隅において、使う機会があればこのページに戻ってきて使用すればいいかと思います。

証明にはまず以下の様な三角形を考えます。

 ヘロンの公式

このhがわかれば面積が\frac{1}{2}ahとなるので、hを計算します。

そこで、三平方の定理より

 h^{2}=c^{2}-x^{2}

 h^{2}=b^{2}-(a-x)^{2}=b^{2}-a^{2}-x^{2}+2ax

が得られます。よって

 \displaystyle c^{2}-x^{2}=b^{2}-a^{2}-x^{2}+2ax\\\Leftrightarrow c^{2}=b^{2}-a^{2}+2ax\\\Leftrightarrow x=\frac{c^{2}+a^{2}-b^{2}}{2a}

となります。ゆえに、

 \displaystyle h^{2}=c^{2}-\frac{(c^{2}+a^{2}-b^{2})^{2}}{4a^{2}}\\=\frac{4a^{2}c^{2}-(c^{2}+a^{2}-b^{2})^{2}}{4a^{2}}\\=\frac{(2ac+(c^{2}+a^{2}-b^{2}))(2ac-(c^{2}+a^{2}-b^{2}))}{4a^{2}}\\=\frac{(2ac+c^{2}+a^{2}-b^{2})(2ac-c^{2}-a^{2}+b^{2})}{4a^{2}}\\=\frac{((a+c)^{2}-b^{2})(-(c-a)^{2}+b^{2})}{4a^{2}}\\=\frac{(a+c+b)(a+c-b)(c-a+b)(b-c+a)}{4a^{2}}

が得られます。よって面積は

 \displaystyle S=\frac{1}{2}ah=\frac{1}{2}\sqrt{a^{2}h^{2}}\\=\frac{1}{2}\sqrt{\frac{(a+c+b)(a+c-b)(c-a+b)(b-c+a)}{4}}\\=\frac{1}{4}\sqrt{(a+c+b)(a+c-b)(c-a+b)(b-c+a)}

となります。ここで2s=a+b+cとおくと

 \displaystyle S=\frac{1}{4}\sqrt{(a+c+b)(a+c-b)(c-a+b)(b-c+a)}\\=\frac{1}{4}\sqrt{(2s)(2s-2b)(2s-2a)(2s-2c)}\\=\sqrt{s(s-b)(s-a)(s-c)}

となります。

三角形の内接円と面積

内接円の半径と周長から三角形の面積を簡単に求めることができます。

公式は以下のとおりです。

内接円と面積

\triangle ABCの内接円の半径をrとし、各辺の長さをa,b,cとする。

このとき、三角形の面積は

 \displaystyle S=\frac{1}{2}r(a+b+c)

となる。

内接円

少し考えばすぐに導けるので覚える必要はないでしょう。

以下のように三角形を内接円の中心により3つに分けます。

内接円

すると三角形の面積は

  1.  \displaystyle\frac{1}{2}ar
  2.  \displaystyle\frac{1}{2}br
  3.  \displaystyle\frac{1}{2}cr

となります。よって、三角形ABCの面積は

 \displaystyle S=\frac{1}{2}ar+\frac{1}{2}br+\frac{1}{2}cr\\=\frac{1}{2}r(a+b+c)

となります。

この公式だと「3辺と内接円の半径から面積を計算する」ということをしています。

しかし、ヘロンの公式なら3辺から面積がわかります。

よって、3辺から内接円の半径を計算できることに気が付きます。さっそく計算してみると

 \displaystyle\frac{1}{2}r(a+b+c)=\sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)}\\\Leftrightarrow r=\sqrt{\frac{(s-a)(s-b)(s-c)}{s}}

となります。ここで2s=a+b+cです。

  • 三角形の面積は「底辺x高さ/2」
  • sinを使うと角度情報から面積を記述できる
  • 3辺の長さがわかればヘロンの公式から面積がわかる
  • 内接円の半径は3辺から計算できる

著者:安井 真人(やすい まさと)