行列の掛け算

1次方程式系の行列表示

 行列には定数倍だけでなく、行列どおしの掛け算もよく使用します。ここでは、この行列どおしの掛け算の計算方法について解説します。

行列の掛け算の定義

 定義を述べるより実例をいくつか出して計算方法を体に覚えさせた方が早く身につきます。以下にいくつか行列の掛け算の例をあげていきます。

1行1列の場合

 行列の掛け算を定義します。まず、一行だけの行列と一列だけの行列の積を

 \displaystyle (a_{1}\ a_{2}\ a_{3})\left(\begin{array}{c}b_{1}\\b_{2}\\b_{3}\end{array}\right)=a_{1}b_{1}+a_{2}b_{2}+a_{3}b_{3}

と定義します。ベクトルの内積と似てますね。掛け合わせる際に相手が必要なので、はじめの行列の列とあとの行列の行が同じである必要があります。

 2行3列と3行1列の場合

 では次に2行3列の行列と3行1列の行列の積を考えます。この場合は

 \displaystyle\left( \begin{array}{ccc}a_{11}&a_{12}&a_{13}\\a_{21}&a_{22}&a_{23}\end{array}\right) \left(\begin{array}{c}b_{1}\\b_{2}\\b_{3}\end{array}\right)=\left(\begin{array}{c}a_{11}b_{1}+a_{12}b_{2}+a_{13}b_{3}\\a_{21}b_{1}+a_{22}b_{2}+a_{23}b_{3}\end{array}\right)

とします。

  1. 一行目の値は最初の行列の一列目と次の行列の一列目を内積のように計算します。
  2. 二行目の値は最初の行列の二列目と次の行列の一列目を内積のように計算します。

 2行2列の場合

 最後に二行二列の行列の積を考えます。二行二列の行列の積は

 \displaystyle\left(\begin{array}{cc}a_{11}&a_{12}\\a_{21}&a_{22}\end{array}\right) \left(\begin{array}{cc}b_{11}&b_{12}\\b_{21}&b_{22}\end{array}\right)=\left(\begin{array}{cc}a_{11}b_{11}+a_{12}b_{21}&a_{11}b_{12}+a_{12}b_{22}\\a_{21}b_{11}+a_{22}b_{21}&a_{21}b{12}+a_{22}b_{22}\end{array}\right)

とします。

 3行3列の場合

 同様に3行3列の行列は次のよう計算していきます。

行列の積

左から右へ計算していき、順に下に下がって計算していきます。慣れていけばスムーズに計算できるので練習してみてください。

著者:安井 真人(やすい まさと)