累乗の和

累乗の和

 等差数列の和、等比数列の和と様々な数列の和について学んできました。次に学ぶのは累乗の和です。例えば、1の二乗足す、2の二乗足す、3の二乗足す、…といったかんじです。このような累乗の和を計算できるようになりましょう。

はじめに

自然数の和は前に説明しました。

 S=1+2+3+\cdots+n

この計算は、

 S=1+2+\cdots+n\\S=n+(n-1)+\cdots+1

を足して

 \displaystyle 2S=n(n+1)\\S=\frac{1}{2}n(n+1)

と計算しましたね。今回は

 1^{2}+2^{2}+\cdots+n^{2}

 1^{3}+2^{3}+\cdots+n^{3}

の計算方法を考えます。

2乗の和の計算

2乗の和の計算は、少し技術的で

 (k+1)^{3}-k^{3}=3k^{2}+3k+1

を利用します。これをk=1からnまで足すと

 2^{3}-1^{3}=3\times1^{2}+3\times1+1\\3^{3}-2^{3}=3\times2^{2}+3\times2+1\\\cdots\\(n+1)^{3}-n^{3}=3\times n^{2}+3\times n+1

より

 (n+1)^{3}-1^{3}=3(1^{2}+2^{2}+\cdots+n^{2})+3(1+2+\cdots+n)+n

になります。

 S=1^{2}+2^{2}+\cdots+n^{2}

とおけば

 \displaystyle (n+1)^{3}-1=3S+\frac{3}{2}n(n+1)+n

が得られ、計算すると

 \displaystyle 3S=(n+1)^{3}-\frac{3}{2}n(n+1)-n\\=(n+1)^{3}-\frac{3}{2}n(n+1)-(n+1)\\=\frac{1}{2}(n+1)(2(n+1)^{2}-3n-2)\\=\frac{1}{2}(n+1)(2n^{2}+n)\\=\frac{1}{2}n(n+1)(2n+1)\\\Leftrightarrow S=\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)

となります。

3乗の和の計算

3乗の和も同様に

 (k+1)^{4}-k^{4}=4k^{3}+6k^{2}+4k+1

を利用して計算します。

 2^{4}-1^{4}=4\times1^{3}+6\times1^{2}+4\times1+1\\3^{4}-2^{4}=4\times2^{3}+6\times1^{2}+4\times2+2\\\cdots\\(n+1)^{4}-n^{4}=4\times n^{3}+6\times n^{2}+4n+1

の和を計算して

 (n+1)^{4}-1^{4}=4(1^{3}+\cdots+n^{3})+6(1^{2}+\cdots+n^{2})+4(1+\cdots+n)+n

となります。ここで

 S=1^{3}+2^{3}+\cdots+n^{3}

とおけば

 \displaystyle (n+1)^{4}-1=4S+6\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)+4\frac{1}{2}n(n+1)+n\\\Leftrightarrow 4S=(n+1)^{4}-1-n(n+1)(2n+1)-2n(n+1)-n\\\Leftrightarrow 4S=(n+1)((n+1)^{3}-n(2n+1)-2n-1)\\\Leftrightarrow 4S=(n+1)((n+1)^{3}-(n+1)(2n+1))\\\Leftrightarrow 4S=(n+1)^{2}((n+1)^{2}-2n-1)\\\Leftrightarrow 4S=(n+1)^{2}n^{2}\\\Leftrightarrow S=\left\{\frac{1}{2}n(n+1)\right\}^{2}

が得られます。

最後に

以上2つ公式を紹介しましたが、覚えないようにしてください。記号の羅列なので覚えてもすぐに忘れると思います。

公式を覚えるのではなく、導出の流れを身に着けてください。

そうすれば、いざというときにすぐに公式を導けますし、覚えるのも楽です。

著者:安井 真人(やすい まさと)