いろいろな数列の和

いろいろな数列の和

 これまで、等差数列や等比数列など様々な数列の和を計算してきました。ここでは、それら以外の特殊な数列の和を計算します。ここでは問題を通して計算方法を解説していきます。

次の和を計算せよ。

 \displaystyle\frac{1}{1\cdot 2}+\frac{1}{2\cdot 3}+\frac{1}{3\cdot 4}+\cdots+\frac{1}{n(n+1)}

この問題をとくには、

 \displaystyle\frac{1}{n(n+1)}=\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1}

を利用します。すると

 \displaystyle\frac{1}{1\cdot 2}+\frac{1}{2\cdot 3}+\frac{1}{3\cdot 4}+\cdots+\frac{1}{n(n+1)}\\=\left(\frac{1}{1}-\frac{1}{2}\right)+\left(\frac{1}{2}-\frac{1}{3}\right)+\cdots+\left(\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1}\right)\\=1-\frac{1}{n+1}\\=\frac{n}{n+1}

前後で打ち消し合って、頭とおしりだけが残るのがポイントです。

次の和を計算せよ。ただしx\neq 1とする。

 S=1+3x+5x^{2}+7x^{3}+\cdots+(2n-1)x^{n-1}

よくわからないけど、x=1のときは

 S=1+3+5+\cdots+(2n-1)

と等差数列です。ですから、

 S=1+3x+5x^{2}+7x^{3}+\cdots+(2n-1)x^{n-1}\\S=(2n-1)x^{n-1}+(2n-3)x^{n-2}+(2n-5)x^{n-3}+\cdots+1

と並べて足せばいいかもしれないと予想がつきます。ただ、足しあわせても

1(2n-1)x^{n-1}

と項が異なるのでだめだとわかります。

 うまくいかなかったので、次に、

 1+x+x^{2}+\cdots

なら等比数列となることからアプローチします。Sを等比数列にするために

 S=1+3x+5x^{2}+7x^{3}+\cdots\\xS=x+3x^{2}+5x^{3}+\cdots

を利用します。両者を引けば

 (1-x)S=1+2x+2x^{2}+\cdots+2x^{n-1}-(2n-1)x^{n}\\=1+2x(1+x+x^{2}+\cdots+x^{n-2})-(2n-1)x^{n}

となります。真ん中がうまいこと等比数列となりました。

 S_{1}=1+x+x^{2}+\cdots+x^{n-2}

を計算すると(x\neq 1をつかって)

 \displaystyle (S_{1}-xS_{1})=1-x^{n-1}\\\Leftrightarrow S_{1}=\frac{1-x^{n-1}}{1-x}

となります(等比数列の公式を覚えるのではなく、このように導けるようにしましょう)。これより、

 \displaystyle(1-x)S=1+2x\frac{1-x^{n-1}}{1-x}-(2n-1)x^{n}\\=\frac{1-x}{1-x}+\frac{2x-2x^{n}}{1-x}-\frac{(2n-1)x^{n}-(2n-1)x^{n+1}}{1-x}\\=\frac{1+x-(2n+1)x^{n}+(2n-1)x^{n+1}}{1-x}\\\Leftrightarrow S=\frac{1+x-(2n+1)x^{n}+(2n-1)x^{n+1}}{(1-x)^{2}}

となります。

【正しいかチェックする】

導いた答えを見ると少し複雑なので不安になるかと思います。

x=0の場合

ということで、x=0を代入してみます。

 S=1+3\times 0+5\times 0^{2}+7\times 0^{3}+\cdots+(2n-1)\times 0^{n-1}=1

であり、

 \displaystyle S=\frac{1+0-(2n+1)0^{n}+(2n-1)0^{n+1}}{(1-0)^{2}}=1

なので一安心です。

x=-1の場合

念のためx=-1として計算すると

nが奇数の場合】

 S=1-3+5-7+\cdots+(2n-1)\\=(1+5+9+\cdots+(2n-1))-(3+7+\cdots+(2n-3))

で、等差数列の和を

 S_{2}=1+5+9+\cdots+(2n-1),\\S_{2}=(2n-1)+(2n-5)+(2n-9)+\cdots+1

より、

 \displaystyle 2S_{2}=2n+2n+\cdots+2n\\\Leftrightarrow S_{2}=\frac{1}{2}2n\times\frac{2n-1+3}{4}\\=\frac{n(n+1)}{2}

となります(ここで、項数は(末項+3)/4であることを使いました。このことは1+5の場合や1+5+9の場合から正しいだろうと予想できますね)。

同様にして

 \displaystyle S_{3}=3+7+\cdots+(2n-3)

 \displaystyle S_{3}=\frac{1}{2}\left(3+2n-3\right)\frac{2n-3+1}{4}\\=\frac{n(n-1)}{2}

となります。よって、

 \displaystyle S=S_{2}-S_{3}=\frac{n(n+1)}{2}-\frac{n(n-1)}{2}=n

となります。n=1のときは、S=1で、n=3のときは

 S=1-3+5=3

であってそうです。そして、

 \displaystyle S=\frac{-(2n+1)(-1)^{n}+(2n-1)(-1)^{n+1}}{4}\\=\frac{(2n+1)+(2n-1)}{4}=n

なので確かに導いた答え

 \displaystyle\frac{1+x-(2n+1)x^{n}+(2n-1)x^{n+1}}{(1-x)^{2}}

でよさそうです。

答えの見直しをするときは、具体的な数字をいくつか代入するのが効果的です。

著者:安井 真人(やすい まさと)