命題と条件

命題と条件

 数学では、命題を立てて証明していくことで論理を構築していきます。

ここでは、命題の定義や必要十分条件など命題に関する用語を解説していきます。

命題とは

まず、命題について解説します。

命題

真偽がはっきりすることのできるものを命題という。命題は

 p\Rightarrow q

のように表記でき、pが仮定でqが結論である。命題が正しいことを真(しん)、正しくないことを偽(ぎ)という。

定義だけではわかりにくと思うので、以下の問題を解きながら理解していきましょう。

命題が真のときは証明して、偽のときは反例をあげます。

x,yが実数のとき、次の命題の真偽を調べよ。

(1) x^{2}=1ならばx=1

(2)x=1ならばx^{2}=1

(1)

x^{2}=1を解くと、x=\pm 1になります。

-1の場合も命題(1)はなりたつので、命題(1)は偽になります。

(2)

x=1のとき、

 x^{2}=1^{2}=1

なので、命題は成り立ちます。よって、真となります。

必要・十分条件と同値

命題に関する用語をもう少し紹介します。

必要十分条件

命題p\Rightarrow qが真であるとき

  1. qp必要条件
  2. pq十分条件

と呼ぶ。もし、p\Leftrightarrow qが真なら

pq(qp)の必要十分条件または同値

という。

かなりわかりにくい用語です。

「矢先は必要」

とおぼえましょう。

例えば、

 p\Rightarrow q

ときた時、矢印の先であるqが必要条件となります。

x,yが実数のとき、

 x=1\Rightarrow x^{2}=1

は真なので、

  1. x=1が十分条件
  2. x^{2}=1が必要条件

となります。

 条件の否定

続いて、条件が両方成り立つ場合や否定について紹介します。

かつ、もしくは、否定

ある条件p,qがあるとき、

  1. p,qが同時に成り立つ場合をp\land q
  2. p,qのどちらか一方が成り立つ場合をp\lor q

と記述する。また、条件pの否定を

 \bar{p}

とかく。

さらに、これら条件に関しもド・モルガンの法則が成り立ちます。

ド・モルガンの法則

条件p,qに対してド・モルガンの法則

  1. \overline{p\land q}\Leftrightarrow\bar{p}\lor\bar{q}
  2. \overline{p\lor q}\Leftrightarrow\bar{p}\land\bar{q}

が成り立つ。

基本的に集合のド・モルガンの法則を使って証明します。

いま、条件pを満たす集合をそれぞれP,Qとします。

すると、条件p\land q,p\lor qを満たす集合はそれぞれP\cap Q,P\cup Qとなります。ここで、ド・モルガンの法則を使えば

 \overline{P\cap Q}\Leftrightarrow\bar{P}\cup\bar{Q}\\\overline{P\cup Q}\Leftrightarrow\bar{P}\cap\bar{Q}

なので、集合から条件に直して

 \overline{p\land q}\Leftrightarrow\bar{p}\lor\bar{q}\\\overline{p\lor q}\Leftrightarrow\bar{p}\land\bar{q}

が成り立ちます。

では、問題を解きながらド・モルガンの法則を使ってみましょう。

実数x,yに対して、以下の否定を述べよ。

(1)x<0かつy=1

(2)a=b=1

(1)

ド・モルガンの法則より

 \overline{x<0}\lor\overline{y=1}\\\Leftrightarrow\overline{x\geq 0}\land\overline{y\neq 1}

となります。

(2)

この場合は

 a=1\land b=1

と考えド・モルガンの法則より

 a\neq 1\lor b\neq 1

が得られます。

  • 命題とは真偽がはっきりする問のこと
  • 命題でもド・モルガンの法則は成り立つ

著者:安井 真人(やすい まさと)