「すべて」と「ある」

すべてとある

 数学では「すべて」や「ある」という論理をよく使います。

ここではこれらの用語について解説します。

「すべて」と「ある」

数学ではよく「すべて」とか「ある」とかの条件を使います。

以下にこれら用語の定義を述べます。

すべて・ある

ある集合Aのすべての要素に対して条件pが成り立つとき

 \forall a\in A, p

と表記する。また、集合Aのある要素に対して条件pが成り立つとき

 \exists a\in A, p

と表す。

例1)

 \forall x\in\mathbb{R},x^{2}>0

は「すべての実数xに対して、x^{2}>0が成り立つ」という意味です。

この場合、x=0の場合が成り立たないので偽となります。

例2)

一方、

 \exists x\in\mathbb{R},x^{2}>0

は「ある実数xに対して、x^{2}>0が成り立つ」という意味です。

この場合、x=1のとき、x^{2}=1>0が成り立つので真となります。

否定

「すべて」と「ある」の否定は以下のようになります。

否定

  1. \forall x\in X,pの否定は\exists x\in X,\bar{p}
  2. \exists x\in X,pの否定は\forall x\in X,\bar{p}

ただ、「すべて」と「ある」をひっくり返して、条件を否定するだけです。

(1)

命題は、pが成り立つXの部分集合をPとすれば

 X=P

となります。この否定なので

 X\neq P

となります。よって、Pに属さないXの要素pがあるということになります。

よって、

 \exists x\in X, \bar{p}

が否定として得られます。

(2)

命題「\exists x\in X,p」は

 P\neq \phi

を表しています。よって、この否定は

 P=\phi

となります。つまり、Pに属するx\in Xはないことを意味します。よって、

 \forall x\in X,\bar{p}

が否定となります。

以下の命題の否定と真偽を調べよ。

\exists n\in\mathbb{N},n^{2}-2n+1=0

否定は

\forall n\in\mathbb{N},n^{2}-2n+1\neq 0

となります。これはn=1のとに成り立たないので偽になります。

著者:安井 真人(やすい まさと)