逆・裏・対偶

命題に対して逆・裏・対偶という考え方があります。

特に、対偶は命題と真偽が一致するという性質があるので証明の際に使用できます。

ここでは、これらの用語と背理法についても解説します。

逆・裏・対偶

では、命題における逆、裏、対偶について解説します。

逆・裏・対偶

命題p\Rightarrow qに対して

  1. q\Rightarrow p
  2. \bar{p}\Rightarrow\bar{q}
  3. \bar{q}\Rightarrow\bar{p}対偶

という。

例えば、

x^{2}=1\Rightarrow x=1

という命題に対して

  1. 逆:x=1\Rightarrow x^{2}=1
  2. 裏:x^{2}\neq 1\Rightarrow x\neq 1
  3. 対偶:x\neq 1\Rightarrow x^{2}\neq 1

となります。

対偶には以下の様なおもしろい性質があります。

対偶の性質

命題の真偽とその対偶の真偽は一致する。

条件p,qを満たす集合をそれぞれP,Qとします。

すると

(1) p\Rightarrow qが真の場合

このとき

 P\subset Q

となるので

 \bar{P}\supset \bar{Q}

となります。

pq

よって、

 \bar{q}\Rightarrow \bar{p}

が得られます。

(2)p\Rightarrow qが偽の場合

このときは

 P\not\subset Q

となり

 P\cap\bar{Q}\neq\phi\Leftrightarrow\bar{\bar{P}}\cap\bar{Q}\neq\phi\Leftrightarrow\bar{Q}\not\subset\bar{P}

が得られます。

q

よって、\bar{q}\Rightarrow\bar{p}は偽となります。

では、この性質を使って問題をといてみましょう。

整数nにおいて、n^{2}が3の倍数なら、nは3の倍数であることを証明せよ。

n^{2}よりもnの方が扱いやすいので対偶を利用して証明します。

命題の対偶は

nが3の倍数でないならば、n^{2}は3の倍数でない」

となります。3の倍数でないので

 n=3k+1,3k+2,(k\in\mathbb{Z})

と表記できます。二乗すると

 (3k+1)^{2}=9k^{2}+6k+1=3k(3k+2)+1

 (3k+2)^{2}=9k^{2}+12k+4=3(3k^{2}+4k+1)+1

となります。これらは確かに3の倍数でありません。

よって、対偶の性質より、命題は真となります。

背理法

 背理法とは正しいと仮定して矛盾を導く論法です。

証明問題の際によく使用するのでマスターしておきましょう。

背理法

ある命題pに対して、pが成り立たないと仮定する。

そして、矛盾を導くことにより、pが真であることを証明する方法を背理法という。

 では、背理法を使った証明問題を解いてみましょう。

 \sqrt{2}が無理数であることを証明せよ。

もし、\sqrt{2}が有理数とすると

 \displaystyle\sqrt{2}=\frac{a}{b},a\in\mathbb{Z},b\in\mathbb{N}

と表せます。ここで、a,bは約分はされているとします。これを式変形すると

 a^{2}=2b^{2}

となります。よって、aは2の倍数となります。ここで

 a=2c

とおけば、

 4c^{2}=2b^{2}\Leftrightarrow b^{2}=2c^{2}

bも2の倍数となります。しかし、a,bはすでに約分されていると仮定したことに矛盾します。

よって、背理法より\sqrt{2}は無理数となります。

 

著者:安井 真人(やすい まさと)