ベクトル関数の線積分

光

スカラー関数に引き続き、ベクトル関数の線積分について解説します。

線積分

まず、図のような(1,0)を開始点として、(-1,0)を終了点とする経路Cを設定します。そして、y軸方向からこの経路に光を当てて、経路がつくる影の長さ(図の青線)を線積分で計算します。もちろん、2となることは図から明らかですね。

 まず、経路をN分割しi番目の変位ベクトルを\Delta\vec{s}_{i}と置きます。すると、変位ベクトルのx方向の長さは

 \vec{i}=\left(\begin{array}{c}1\\0\\0\end{array}\right)

とすると

 \vec{i}\cdot d\vec{s}_{i}

なので、影の長さは

 \displaystyle L=\sum_{i=1}^{N}\vec{i}\cdot \Delta\vec{s}_{i}

となります。この極限N\to \inftyをとれば

 L=\int_{C}\vec{i}\cdot d\vec{s}

となります。あとはこれを計算するだけです。まず、円上の点は

 (\cos\theta,\sin\theta)

となるので、変位は

 (\cos(\theta +d\theta)-\cos\theta,\sin(\theta+d\theta)-\sin\theta)

なので、テイラー展開で二次以上を無視すれば

 d\vec{s}=(\cos\theta-\sin\theta d\theta-\cos\theta,\sin\theta+\cos\theta d\theta-\sin\theta)=(-\sin\theta d\theta,\cos\theta d\theta)

が得られます。よって、線積分は

 \displaystyle L=\int_{C}\vec{i}\cdot d\vec{s}=\int_{0}^{\pi}(-\sin\theta)d\theta=[cos\theta]_{0}^{\pi}=-2

となることがわかります。ここで、負となったのはx座標と逆の方向へ経路Cが進んだからです。もし、(-1,0)から(1,0)へ経路をとれば正になります。

 以上のようにベクトル関数\vec{f}(\vec{r})と経路Cに対しての積分

 \displaystyle \int_{C}\vec{f}\cdot d\vec{s}

をベクトル関数に対する線積分といいます。もし、開始点と終了点が同じ場合は

 \displaystyle \oint_{C}\vec{f}\cdot d\vec{s}

と書きます。

著者:安井 真人(やすい まさと)