数の概念

絵の具

 ここまでの講義で実数や絶対値の定義について学びました。ここでは自然数や整数といった数や十進数や数直線について復習します。そして、n次元という数の組の概念について解説します。

数について

まず、自然数、整数、有理数、無理数を以下の通りです。

  1. 自然数:1,2,3,4,…といった数で、ものの順番や数を数える際に使います。
  2. 整数:0,±1,±2,…といった数です。
  3. 有理数:0および\displaystyle \pm \frac{a}{b}a,bは自然数です。
  4. 無理数:有理数以外の実数で、\sqrt{2},e,\piなどを含みます。

以降は数といったら基本的に実数をさすことにします。

十進法と二進法

 私たちは0,1,2,3,4,5,6,7,8,9の十個の数字を使います。この十個の数字を使うことで数を表現することができます。しかし、よく考えてみると十個でなくても数を表現することができます。例えば、数字0と1だけを使う場合は二進数といい

十進数 二進数
0 0
1 1
2 10
3 11
4 100
5 101
6 110
7 111
8 1000

と十進数と対応づけることができます。この変換法を一般的に行うには十進数での数字を

 a=\cdots +a_{3}2^{3}+a_{2}2^{2}+a_{1}2^{1}+a_{0}2^{0}+a_{-1}2^{-1}+a_{-2}2^{-2}+\cdots

と展開してやれば二進数表記は

 \cdots a_{3}a_{2}a_{1}a_{0}.a_{-1}a_{-2}\cdots

となります。具体例を以下にあげます。

 5=1\times2^{2}+0\times 2^{1}+1\times2^{0}=101,

 \displaystyle \frac{5}{8}=\frac{1}{2}+\frac{1}{2^{3}}=0.101

 数の幾何学的表現

 数は数直線で表現することができます。いま以下のような直線XX^{\prime}の数直線があるとします。

数直線

数直線上の点Oを原点といい、原点よりX方向のある点Eを基準とすれば、OEは長さの単位になります。実数xは数直線上の点Pで表現でき、原点との距離OPxの絶対値といい|x|と書きます。

前の復習になりますが絶対値には

 |x|+|x^{\prime}|\geq |x+x^{\prime}|\geq |x|-|x^{\prime}|

の関係が成り立ちます(こちらの記事を参照)。

n次元の点

n次元の点は実数をnこ使って

 (x_{1},x_{2},\cdots,x_{n})

と表すことができます。今、二つの点P,P^{\prime}

 P=(x_{1},x_{2},\cdots,x_{n}),P^{\prime}=(x_{1},x_{2},\cdots,x_{n})

で表せば、PP^{\prime}の距離は

 \sqrt{(x_{1}-x_{1}^{\prime})^{2}+(x_{2}-x_{2}^{\prime})^{2}+\cdots+(x_{n}-x_{n}^{\prime})^{2}}

となります。Pを固定してP^{\prime}について

 (x_{1}-x_{1}^{\prime})^{2}+(x_{2}-x_{2}^{\prime})^{2}+\cdots+(x_{n}-x_{n}^{\prime})^{2}<\delta^{2}

が成り立つなら、P^{\prime}Pは中心とした半径\deltaのn次元球内の点であるといいます。2次元や3次元で考えれば理解できると思います。同じように

 Max(|x_{1}-x_{1}^{\prime}|,\cdots,|x_{2}-x_{2}^{\prime}|)<\delta

が成り立つ場合はPを中心とた一辺\deltaの立方体のような(3次元の場合は)n次元の箱の中にP^{\prime}はあるといえます。ここで、Maxは括弧内の最大の値を選ぶ関数です。n次元で話ましたが、2次元や3次元と対応づけると分かり易いです。

著者:安井 真人(やすい まさと)