Heine-Borelの被覆定理

Heine-Borelの被覆定理とは

「閉区間を無限個の開区間で覆えるなら、無限個の開区間のうちから有限個の開区間で閉区間を覆える」

という定理です。

たぶんなにをいっているのかが、わからないと思うので例をあげて説明します。

 

開区間を開区間で覆う

はじめに開区間(0,1)を開区間で覆ってみましょう。

ちなみに

 (0,1)=\{x|0<x<1\}

のいみです。覆う際にたとえば

 (-1,2)

で覆うことができます。

 

では、無限個の開区間で覆うことはできないでしょうか?

もちろん、自然数nにおいて

 (-n,n)

という無限個の開区間で

 (0,1)

を覆うことができます。しかし、この場合はn=1

 (-1,1)

だけで覆えます。このように無限個で囲んでも、有限個を選べば覆えてしまうものはいけないことにします。

 

そこで考えると自然数nにおける開区間

 (1/n,1)

 (0,1)

を覆えることがわかります。実際に開区間の任意の点

 0<x<1

n

 \frac{1}{n}<x

と選んでやれば開区間(1/n,1)に入ります。

しかも、もし開区間(1/n,1)のうち有限個をえらぶと(0,1)を囲うことができません。

なぜなら、最大のnn_{0}とすれば、

 x<\frac{1}{n_{0}}

となる0<x<1を覆うことができないからです。

 

いじょうのことより、開区間は無数の開区間で覆えることがわかります。

 

閉区間を無数の開区間で覆えるか

では続いて閉区間を無数の開区間で覆えるかについて考えてみます。

たとえば

 [0,1]

を開区間で覆えるか考えてみてください。がんばって考え

 (1/n,1-1/n)

と開区間を選んでも、これでは0や1を覆えないのでだめです。

次に

 (-1/n,1+1/n)

とすると、n=1の開区間だけで覆えるのでだめです。

どうやら

閉区間を無数の開区間で覆うと、有限個の開区間で閉区間を覆える

というかんじになりそうです。

これがHeine-Borelの被覆定理です。

 

Heine-Borelの被覆定理の証明

では、Heine-Borelの被覆定理について述べます。

 

定理11. わくのない無数の円の一組が、全体として有界な閉集合Fを覆うなら、Fは有限個の円を選んで覆うことができる。

 

説明では一次元でやりましたが、ここでは二次元でのべています。

わくのない無数の円=開区間

閉集合F=閉区間

と考えてください。では証明します。

 

【証明】

背理法で証明します。

そこで、仮に定理11が正しくないとします。

すると、Fを含む一つの正方形Qをとって、正方形を4つの正方形に4等分すると、それらのうち少なくとも一つの正方形Q_{1}において定理11は正しくありません。

 FQ_{1}の共通部分をF_{1}とします。

そして、どうようの作業をF_{1}へおこなうとF_{2}ができます。

 F\subset F_{1}\subset F_{2}\subset\cdots

であり4等分されていくのでF_{i}は限りなく小さくなります。

 

ここで定理10を使うとすべてのF_{i}にふくまれる点が一点存在します。

これをP_{0}とおきます。

P_{0}F_{i}に含まれるので、P_{0}はあたえられた円のある一つに含まれます。

しかし、十分に大きいiにおいてF_{i}はその円内に含まれます。

このことが、P_{0}を含む任意の円で成り立ち、有限個の円で覆うことがきることを意味します。

これはF_{i}において定理11が真でないことに矛盾します。

よって、定理11は真であることが証明されます。

著者:安井 真人(やすい まさと)