最大値と最小値の定理

最大値と最小値の定理の解説図

連続関数の性質をあらわす定理その2です。

それが「最大値と最小値の定理」です。

さっそくですが定理を紹介します。

 

定理

「有界な閉区域Kにおいて連続な関数f(P)は有界で、その区間において最大値と最小値をもつ」

 

解説

定理を理解するために一次元で考えます。

グラフを書いてみれば当たり前だということがわかります。

右図を見てください。連続関数なら閉区間で有界であり、最大値と最小値があることがなっとくできると思います。

 

閉区間[a,b]であることがポイントです。

もし、閉区間でないと両端でもっとも大きくなったり小さくなったりした場合、最大値と最小値はありません。

もし右図で開区間(a,b)なら最大値が存在しないことになります。

では証明にとりかかりましょう。

 

証明

まず上に有界であることを証明しましょう。

背理法で証明するため、上に有界でないと仮定し、矛盾を導きます。

 

上に有界でないので、f(P_{0})>0となる点P_{0}があります。

さらに有界でないことを使えばf(P_{1})>2f(P_{0})となる点P_{1}が存在します。

これを繰りかえしてP_{0},P_{1},P_{2},\cdotsをとっていきます。

すると、P_{0},P_{1},P_{2},\cdotsは、有界で閉区域であるKの点なので集積点へ収束します(定理9「集積点の収束」より)。

その一つをAとします。

 

さて、P_{0},P_{1},P_{2},\cdotsの部分列でAへ収束するものを

 P_{\alpha_{0}},P_{\alpha_{1}},P_{\alpha_{2}},\cdots

ととります。すると

 \displaystyle\lim_{n\to\infty}f(P_{\alpha_{n}})=f(A)

がなりたちます。しかし

 f(P_{\alpha_{n}})>2^{\alpha_{n}}f(P_{0})

となり

 \displaystyle\lim_{n\to\infty}f(P_{\alpha_{n}})=\infty\neq f(A)

で不合理です。よって、上に有界となります。同様にして下に有界であることも証明できます。

 

次に最大値の存在を証明します。

f(A)は有界なので、上限Mが存在します。証明のため

 f(P)=M

となるPが存在すること示します。

背理法で証明するため、f(P)=MとなるPが存在しないと仮定し矛盾を導きます。

この仮定より領域Kにおける点PM-f(P)>0となります。

そこで

 F(P)=\frac{1}{M-f(P)}

という関数を導入すれば、領域Kにおいて連続となります。

しかし、分母はいくらでも小さくできるので、F(P)は有界ではありません。

これは前半に証明したことに反します。

よって、領域Kにおいてf(P_{0})=Mとなる点P_{0}が存在します。

f(P)は上限M=f(P_{0})より大きくならないから、f(P_{0})が最大値となります。

最小値も同様に証明されます。

著者:安井 真人(やすい まさと)