偏微分

原点への近づき方

はじめに一次元の微分について復習しましょう。

まず、関数f(x)の微分は

 \displaystyle\frac{df}{dx}=\lim_{h\to 0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}

でした。

この値は接線の傾きを意味するのでしたね。

 

そして、微分の際は

  • xより大きい値から近づける
  • xより小さい値から近づける

の二通りがありました。

たとえば、

 f(x)=x,x>0\\f(x)=0,x\geq0

の場合は、正から近づけると

 \displaystyle\frac{df}{dx}(0)=1

で、負から近づけると

 \displaystyle\frac{df}{dx}(0)=0

となります。

このように

近づく方向によって、微分係数が異なります。

 

ですから、近づき方はとても重要なのです。

 

二次元での近づき方

一次元の場合は、大きい値か小さい値の二通りの近づき方がありました。

しかし、二次元の場合は無数の近づき方があります。

 

たとえば、原点に近づく方法にしても

原点への近づき方

のようにたくさんあります。

 

これが一次元と多次元の違いです。

偏微分

でもこうも多くの近づき方を調べていてもきりがありません。

そこで

基本的な近づき方をとりあえすおさえておこう

というのが偏微分の考え方です。

 

基本的な近づき方は何かというと、

二次元の場合は

  • x軸に平行な方向
  • y軸に平行な方向

です。すなわち、

一つの変数以外は固定して、微分するのが偏微分です。

 

関数f(x,y)の偏微分は以下のようになります。

 \displaystyle\frac{\partial f}{\partial x}(x,y)=\lim_{x\to h}\frac{f(x+h,y)-f(x,y)}{h}\\\frac{\partial f}{\partial y}(x,y)=\lim_{y\to h}\frac{f(x,y+h)-f(x,y)}{h}

 

単に、一つの変数だけに注目して微分するだけです。

これが偏微分です。

 

問題

関数

f(x,y)=2x^{2}y^{3}

において

(1)\displaystyle \frac{\partial f}{\partial x}

(2)\displaystyle\frac{\partial f}{\partial y}

(3)\displaystyle\frac{\partial^{2}f}{\partial x^{2}}

(4)\displaystyle\frac{\partial^{2}f}{\partial x\partial y}

を求めよ。

 

解答

(1)

 \displaystyle\frac{\partial f}{\partial x}\\=\frac{\partial}{\partial x}2x^{2}y^{3}\\=4xy^{3}

(2)

 \displaystyle\frac{\partial f}{\partial y}\\=\frac{\partial}{\partial y}2x^{2}y^{3}\\=6x^{2}y^{2}

(3)

 \displaystyle\frac{\partial^{2}f}{\partial x^{2}}\\=\frac{\partial}{\partial x}\left(\frac{\partial f}{\partial x}\right)\\=\frac{\partial}{\partial x}4xy^{3}\\=4y^{3}

(4)

 \displaystyle\frac{\partial^{2}f}{\partial x\partial y}\\=\frac{\partial}{\partial x}\left(\frac{\partial f}{\partial y}\right)\\=\frac{\partial}{\partial x}6x^{2}y^{2}\\=12xy^{2}

著者:安井 真人(やすい まさと)