逆行列の公式

逆行列の公式

逆行列にはいくつか公式があります。ここでは、この逆行列の公式の証明と解説を行います。

逆行列の公式

公式に入る前に、逆行列の定義の復習です。行列Aの逆行列は

 AA^{-1}=A^{-1}A=I

が成り立つ行列A^{-1}のことだったのを思い出してください。ここでIは単位行列です。では復習も終わったので、逆行列の性質について説明します。

その1

 (A^{-1})^{-1}=A

逆行列の逆行列はもとに戻るという公式です。では証明します。

まず逆行列の定義から

 A^{-1}(A^{-1})^{-1}=I

が成り立ちます。左からAをかければ

 AA^{-1}(A^{-1})^{-1}=AI\Leftrightarrow I(A^{-1})^{-1}=A\Leftrightarrow (A^{-1})^{-1}=A

が得られます。

その2

 (\alpha A)^{-1}=\frac{1}{\alpha}A^{-1}

これも逆行列の定義から

 (\alpha A)(\alpha A)^{-1}=I

となります。両辺を\alphaでわって

 A(\alpha A)^{-1}=\frac{1}{\alpha}I

が得られます。そして、左からA^{-1}をかければ

 (\alpha A)^{-1}=\frac{1}{\alpha}A^{-1}

となります。

その3

 (AB)^{-1}=B^{-1}A^{-1}

逆行列の定義から

 (AB)(AB)^{-1}=I

となります。A^{-1}を左からかけると

 B(AB)^{-1}=A^{-1}

となります。同様にB^{-1}を左からかけると

 (AB)^{-1}=B^{-1}A^{-1}

が得られます。

著者:安井 真人(やすい まさと)