一次方程式系の行列表示

1次方程式系の行列表示

一次方程式系を行列の知識を使って解くことを考えます。行列を使うことで、1次方程式の体系を線形代数で整理することができます。ここでは一次方程式を行列で表示する方法を紹介します。

1次方程式系の行列表示

さっそくですが、いくつか1次方程式を行列で表示し、解説していきます。習うより慣れろです。

まず、連立方程式

 \left\{ \begin{array}{c}x+y=1\\x-y=2\end{array}\right.

を行列表示する方法を例に解説します。この1次方程式を行列で

 \left[ \begin{array}{cc}1&1\\1&-1\end{array}\right|\left. \begin{array}{c}1\\2\end{array}\right]

と記述します。ただ係数だけを書いた形になります。

そして、3変数の一次方程式

 \left\{ \begin{array}{c}x+y+z=1\\2x-y-z=2\\y-z=-1\end{array}\right.

の場合は

 \left[\begin{array}{ccc}1&1&1\\2&-1&-1\\0&1&-1\end{array}\right|\left.\begin{array}{c}1\\2\\-1\end{array}\right]

となります。こちらもただ係数を並べて書いただけです。

一次方程式の操作を行列で見ると

続いて1次方程式を操作すると、行列表示でどのようなことが起こるのかについて考えていきます。

行の入れ替え

では、一次方程式の操作を行列で見ていきます。まずは行れの入れ替えについてです。

 \left\{ \begin{array}{c}x+y=1\\x-y=2\end{array}\right.\Rightarrow \left\{\begin{array}{c}x-y=2\\x+y=1\end{array}\right.

と方程式を並び替えてみます。この操作を行列でみると

 \left[ \begin{array}{cc}1&1\\1&-1\end{array}\right|\left. \begin{array}{c}1\\2\end{array}\right]\Rightarrow \left[ \begin{array}{cc}1&-1\\1&1\end{array}\right|\left. \begin{array}{c}2\\1\end{array}\right]

となります。ただ行(Row)が入れ替わるだけです。この行の入れ替え操作を

 R_{1}\leftrightarrow R_{2}

とかくことにします。

行で演算する

次のような操作をしてみましょう。

 \left\{ \begin{array}{c}x+y=1\\x-y=2\end{array}\right.\Rightarrow \left\{\begin{array}{c}x+y=1\\2x=3\end{array}\right.

この操作は2行目に1行目を足しています。これを行列で見ると

 \left[ \begin{array}{cc}1&1\\1&-1\end{array}\right|\left. \begin{array}{c}1\\2\end{array}\right]\Rightarrow \left[ \begin{array}{cc}1&1\\2&0\end{array}\right|\left. \begin{array}{c}1\\3\end{array}\right]

となります。この操作を

 R_{1}+R_{2}\rightarrow R_{2}

とかきます。

行に実数をかける

最後の操作です。

 \left\{ \begin{array}{c}x+y=1\\x-y=2\end{array}\right.\Rightarrow \left\{\begin{array}{c}2x+2y=2\\x-y=2\end{array}\right.

第一行を二倍しています。これを行列で書くと

 \left[ \begin{array}{cc}1&1\\1&-1\end{array}\right|\left. \begin{array}{c}1\\2\end{array}\right]\Rightarrow \left[ \begin{array}{cc}2&2\\1&-1\end{array}\right|\left. \begin{array}{c}2\\2\end{array}\right]

となり、この操作を

 2R_{1}\rightarrow R_{1}

とかきます。

まとめ

一次方程式を解く際の操作は

 R_{i}\leftrightarrow R_{j},\\ \alpha R_{i}+\beta R_{j}\rightarrow R_{k},\\ \alpha R_{i}\rightarrow R_{i}

で表せるということができます。

著者:安井 真人(やすい まさと)