逆行列の計算方法

逆行列の計算方法

逆行列の計算法について解説します。

ここではガウスの消去法のようにして逆行列を計算します。

逆行列を計算する

まず、試しに

 A=\left[\begin{array}{cc}2&1\\5&3\end{array}\right]

の逆行列を計算します。はじめに行列Aと単位行列を並べます。つまり

 \left[\begin{array}{cc}2&1\\5&3\end{array}\right|\left. \begin{array}{cc}1&0\\0&1\end{array}\right]

とします。あとは、これをガウスの消去法のようにしてAを単位行列に変換していきます。

 \left[\begin{array}{cc}2&1\\5&3\end{array}\right|\left. \begin{array}{cc}1&0\\0&1\end{array}\right]\\\rightarrow\left[\begin{array}{cc}1&1/2\\5&3\end{array}\right|\left.\begin{array}{cc}1/2&0\\0&1\end{array}\right],R_{1}/2\rightarrow R_{1}\\\rightarrow\left[\begin{array}{cc}1&1/2\\0&1/2\end{array}\right|\left.\begin{array}{cc}1/2&0\\-5/2&1\end{array}\right],R_{2}-5R_{1}\rightarrow R_{2}\\\rightarrow\left[\begin{array}{cc}1&1/2\\0&1\end{array}\right|\left.\begin{array}{cc}1/2&0\\-5&2\end{array}\right],2R_{2}\rightarrow R_{2}\\\rightarrow\left[\begin{array}{cc}1&0\\0&1\end{array}\right|\left.\begin{array}{cc}3&-1\\-5&2\end{array}\right],R_{1}-R_{2}/2\rightarrow R_{1}

そして、はじめ単位行列だったものが逆行列になります。つまり

 A^{-1}=\left[\begin{array}{cc}3&-1\\-5&2\end{array}\right]

が得られます。

なぜ上記の方法で逆行列が求まるか

ではどうしてこうなるかを簡単に説明します。

まず、行を入れ替えたりする操作は行列を掛ける操作と同じです。

よって、先程行った操作は

 [A|I]\rightarrow [X_{1}A|X_{1}I]\rightarrow [X_{2}X_{1}A|X_{2}X_{1}I]\cdots

といった具合にかけるわけです。ここでX_{i}の積をまとめてXとかけば

 [XA|XI]=[XA|X]

となります。さて、ここで前に行った操作はAを単位行列にする操作でした。よって

 XA=I

になります。これは逆行列の定義なので

 X=A^{-1}

となります。よって

 [I|A^{-1}]

となるわけです。

 

この計算は逆行列を計算する際によく使うのでマスターしておきましょう。

著者:安井 真人(やすい まさと)