線形空間における基底

線形空間における基底

平面ベクトルにおいては

 \mathbf{e}_{1}=\left(\begin{array}{c}1\\0\end{array}\right),\\\mathbf{e}_{2}=\left(\begin{array}{c}0\\1\end{array}\right)

を使えば、すべての平面ベクトルを線形結合

 c_{1}\mathbf{e}_{1}+c_{2}\mathbf{e}_{2}

で表現できます。もちろん、\mathbf{e}_{1},\mathbf{e}_{2}でなくても

 \mathbf{a}_{1}=\left(\begin{array}{c}1\\1\end{array}\right),\\\mathbf{a}_{2}=\left(\begin{array}{c}1\\2\end{array}\right)

としても

 c_{1}\mathbf{a}_{1}+c_{2}\mathbf{a}_{2}

で平面ベクトルを表現できます。ただし、

 \mathbf{b}_{1}=\left(\begin{array}{c}1\\1\end{array}\right),\\\mathbf{b}_{2}=\left(\begin{array}{c}2\\2\end{array}\right)

の場合は、線形結合

 c_{1}\mathbf{b}_{1}+c_{2}\mathbf{b}_{2}

ではすべての平面ベクトルを表現できません。例えば、(0,1)は表現できません。

つまり、線形独立なベクトル(平行でないベクトル)を2つ選べばいいわけですね。

 

以上のことを線形空間で定義すると以下のようになります。

基底の定義

線形空間\mathbf{V}の有限個のベクトル\mathbf{e}_{1},\mathbf{e}_{2},\cdots,\mathbf{e}_{n}

  • \mathbf{e}_{1},\mathbf{e}_{2},\cdots,\mathbf{e}_{n}が線形独立
  • \mathbf{V}の任意のベクトルが、\mathbf{e}_{1},\mathbf{e}_{2},\cdots,\mathbf{e}_{n}の線形結合で表せる

を満たすとき、\mathbf{e}_{1},\mathbf{e}_{2},\cdots,\mathbf{e}_{n}\mathbf{V}の基底であるといいます。

これで、線形空間に座標軸のようなものが埋め込まれたわけです。

平面ベクトルと対応づけて考えれば当たり前のことですね。

しっかり、定義を理解しておきましょう。

著者:安井 真人(やすい まさと)