流れを記述する未知変数
カテゴリ:流体力学

連続体の運動を考える際に、未知変数が何かを考えることは重要です。ここでは、水を例にして流体の未知変数について考えていきます。
速度
では、流体の変数について考察します。まず、川の流れを考えると、川の水には速度があることがわかります。よって、
- x方向の速度:
- y方向の速度:
- z方向の速度:
が未知変数になります。ここで、は位置で、
は時間となります。
密度
質点と同じように、流体にも質量があります。ただし、流体には形がないので、単位体積あたりの質量を考えます。この単位体積あたりの質量を密度といい
とします。これが4つめの変数となります。
圧力
水風船をわると、水が一気に吹き出します。
これは、水に蓄えられた圧力が、ゴムの破れによって一気に開放されることにより生じます。このことから、圧力も流れを記述する重要なパラメータであることがわかります。よって、圧力
が5つめの変数となります。
バルトロピー流体
以上のことより、流体の記述には5つの変数が必要にだとわかりました。よって、流体の流れを理解するには5つの方程式が必要になります。ただ、多くの流体は密度が一定の場合や密度が圧力に依存するの場合が多くあります。圧力が密度に依存する流体をバルトロピー流体といいます。以上のことから、バルトロピー流体の場合、最終的な未知変数は速度
と圧力
の4つになります。
著者:安井 真人(やすい まさと)
@yasui_masatoさんをフォロー