連続の方程式
カテゴリ:流体力学

水というのはたとえ流れの中にあっても量は変化しません。
100mlの水は、どこであろうと100mlだということです。
この質量保存則を記述したものが連続の方程式というものです。
ここでは、この連続の方程式を導出します。
連続の方程式の導出
まず、以下のように空間上のある点にある体積
の立方体を考えます。
ここでの流体の速度はです。
でははじめに、x軸に対して垂直な面から出入りする流体の量を計算します。
から微小時間
の間に流入する流体の質量は
となります。これをテイラー展開すると
となります。二乗の項を無視すれば
・・・①
が得られます。
次に、から微小時間
の間に流出する流体の質量を計算します。すると
となります。よって上記と同じように計算すれば
・・・②
が得られます。
では、体積の増加量を考えます。まず、x軸に垂直な面から流入する質量は式①と②より
となります。あとは同様に軸でやり総和をとれば
が得られます。体積における質量の時間変化は
となるので、
となります。この方程式が連続の方程式です。密度が一定で変化しない流体の場合(水とかはほとんど密度一定なのでこの近似でいいでしょう)は
より、
が連続の方程式となります。
以上まとめると以下のようになります。
連続の方程式
密度、速度
における連続の方程式は
となる。非圧縮性流体の場合は
となる。
方程式だけ見ると難しそうですが、ただ流体の質量は変わらないことを強調しているだけの単純な式です。
その単純さを理解するために、式の導出方法はきちんと理解しておくといいでしょう。
著者:安井 真人(やすい まさと)
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