好中球により外敵が駆除される
カテゴリ:免疫学

わたしたちの身の回りにはたくさんの細菌やウイルスなどの外敵が存在します。細菌は栄養豊富な場所へいると、瞬く間に増殖していきます。培養液で生き物を培養した経験のある人がいるとわかると思いますが(いないか!?)、クリーンベンチで外部の菌が入らないようにしないと飼っている生き物以外の菌が急激に増えてしまいます(コンタミという)。私たちの体の中は栄養豊富なので、もしも細菌が少しでも混入したら、菌でうめつくされてしまいます。そのため、私たちの体には外敵が体内に侵入しても排除できるような仕組みが存在します。それが、「免疫」です。
化膿性炎症
わたしたちの体が傷ついて放置すると、膿ができます。白い液が溜まった膿ができた経験のある人も多いかと思います。膿ができる前には
- 赤くなる(発赤,ほっせき)
- 腫れる(腫脹,しゅちょう)
- 痛みがある(疼痛,とうつう)
- 熱をもつ(熱感,ねっかん)
となります。このことを炎症と呼びます。炎症の結果、膿が出る場合を化膿性炎症と呼びます。
好中球
膿に存在する白いぶつぶつは何かと気になった人が多いかと思います。この白い液は好中球と呼ばれる白血球細胞です。大きさ約15μmの細胞です。血液中における白血球の半数以上が好中球です。
この好中球が細菌を食べる(貪食)ことで、外敵の拡大を食い止めているのです。
細菌が体内へ入ったら、好中球が集まり細菌を食べつくすのが免疫です。一見すると簡単そうですが、かなり複雑なことをしています。例えば、
- どうやって広い体の中から細菌の居場所を見つけるのか?
- 無数にある外敵をどうやって区別するのか?
など疑問がたくさん生まれます。未だにわからない部分がたくさんありますが、これまでの研究からわかってきたことも多くあります。その知見を学んでいきます。
著者:安井 真人(やすい まさと)
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