炭水化物
カテゴリ:細胞と分子

炭水化物は私たちが動くためのエネルギー源になっており欠かせない栄養素です。一方、摂り過ぎると肥満の原因となるため、炭水化物の摂取に過剰になる人も多いことかと思います。ここでは、エネルギー源である炭水化物について解説します。
炭水化物とは
炭水化物は炭素、水素、酸素からなり、Cn(H2O)mのように表されます。化学式からわかるように炭素と水の化合物のため、炭水化物と呼ばれます。炭水化物は植物の光合成によりつくられます。炭水化物はエネルギー源としての用途や植物における細胞壁の成分であるセルロースとしても使用されます。昆虫や甲殻類では骨格成分キチンの成分として使用されます。
単糖類
炭水化物は単糖類と多糖類に分類されます。単糖類とはC6H12O6で表される天然の高分子です。例えば、グルコースやフルクトースがあります。これらの高分子は環状になっており以下の様な構造をしています。
グルコースは水中では以下の様な3つの状態(α-グルコース、鎖状構造、β-グルコース)をとり平衡を保っています。ほぼα-グルコースとβ-グルコースでそれぞれ38%と62%です。つまり、鎖状構造は遷移状態のようなものだといえます。
フルクトースも同様にいくつか平衡状態があります。水溶液中では六角形の環状構造が57%で、五角形の環状構造が31%です。
β-フルクトースはα-フルクトースよりも3倍甘いです。そして、温度が低いとβ-フルクトースの量が多くなります。ですから、スイカやメロンなどの果実は冷やして食べると甘くておいしくなるのです。
二糖類
単糖が結合すると多糖類になります。単糖が2つ組み合わさった化合物を二糖類と分類する場合もあります。二糖類にはマルトース、スクロースなどがあります。組み合わせは以下のとおりです。
名称 | 分子式 | 構成単位 |
---|---|---|
マルトース | C12H22O11 | グルコース+グルコース |
スクロース | C12H22O11 | グルコース+フルクトース |
多糖類
多糖類にはデンプン、セルロース、グリコーゲンなどがあります。当たり前ですが、多糖類を分解すると単糖類になります。デンプンはα-グルコースがグリコシド結合により連なったものをいいます。セルロースはβ-グルコースがグリコシド結合により結合した化合物です。グリコーゲンはα-D-グルコース(ブドウ糖)がグリコシド結合により鎖状に結合した高分子のことをいいます。
著者:安井 真人(やすい まさと)
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