質点系の運動
カテゴリ:力学
前回、棒に質点が二つついた物質の運動を計算しました。
今回はnこ質点が互いの位置を保ちながら運動する物質の運動を計算します。
このような質点の集まりを質点系と呼びます。
基本的には前回と同じ流れです。
運動方程式
まず、運動方程式は
・・・(1)
ここで
:質点iの質量
:質点iの位置ベクトル
:外部より質点iへかかる力
:質点jが質点iへ与える力で、
とする
です。また、作用反作用の法則より
【作用反作用の法則】・・・(2)
が成り立ちます。さらに質点が勝手に回転しないための条件
【勝手に回転しない条件】・・・(3)
も成り立ちます。
式(1)を足していくと
,
・・・(4)
となります。ここで、
,
←足す順番を変えた
←作用反作用の法則より
を使いました。
また、重心の定義は
なので
となり、式(4)は
となります。これが質量系全体の運動方程式です。
回転の運動方程式
では次に回転の運動方程式を導きます。
それぞれの質点の回転の運動方程式は
なので、和を取ると
となり、
と置くと全体の角運動量と外力を定義すると
となります。さらに
,
←足す順番を変えた
←作用反作用の法則
,
←式(3)より
となるので
が回転の方程式となります。
重心を中心とした角運動量
最後に原点中心ではなく重心を中心とした角運動量を求めます。
,
ここで、
,
,
より
となります。
著者:安井 真人(やすい まさと)
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