関数の増減
カテゴリ:微分積分

微分法は、接線の計算だけでなく、関数をグラフにかく際に便利です。
ここでは、単調増加と単調減少について解説して、関数の増減を微分で調べる方法を紹介します。
単調増加と単調減少
はじめに単調増加と単調減少の意味を説明します。
まず、単調増加の定義です。
単調増加
関数で、ある区間の任意の値、
について
が成り立つときはその区間で単調に増加するという。
では続いて単調減少の定義です。
単調減少
関数で、ある区間の任意の値、
について
が成り立つときはその区間で単調に増加するという。
単調増加と単調減少は簡単にいうと
- 右肩あがりならば、単調増加
- 右肩さがりならば、単調増加
となります。グラフを書けば単調増加かどうかはすぐにわかります。
微分係数と単調増加と単調減少の関係
単調増加・単調減少と微分係数にはある関係があります。それが以下の定理です。
単調さと微分係数
ある区間で
常にならば、
はその区間で単調に増加する
常にならば、
はその区間で単調に減少する
常にならば、
はその区間で一定である
まず、区間から任意にを選びます。そして
なら、ある正数
で
が成り立ちます。これをまで続けていけば
が成り立ちます。よって、は単調増加となります。
単調減少も同様に証明できます。
一方、の場合も同様にして、
とすることで証明できます。
この公式を使うことで、どの区間では関数が右肩上がりであるかがわかります。
この公式により、微分係数の値から関数のおおよその形を理解できるので便利です。
- 常に増加する関数は単調増加関数
- 常に減少する関数は単調減少関数
- 微分係数で単調増加か減少かがわかる
著者:安井 真人(やすい まさと)
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