二変数関数の微分
カテゴリ:微分積分

前回まで一変数関数の微分を考えてきました。
今回は二変数関数の微分を考えます。
微分は変数が少し変わったら、関数値がどれくらい変わるかを知るための道具でした。
一変数関数ならテイラー展開より
とが十分小さければ一次関数で近似できました。
これと同じことを二変数関数でも考えます。
ただ、変数がと二つあるので少し移動するのにも様々な方向があります。
はじめは簡単のため方向に
移動する状況を考えます。
これは、を
だけの関数と見た際に微分したのと同じなので、
と一次関数で近似できます。ここで、習わしで二変数関数の場合は微分を
でなく
と書きます。これを偏微分と呼びます。
例えば、関数なら
で偏微分すると
となります。ただ、に着目して微分しただけです。
さて、次に方向へ少し移動してみましょう。すると
と一次関数で近似できますね。
では、次に方向へ
移動して、
方向へ
移動したらどうなるでしょうか?
まず、方向への移動は先ほどやったように
となります。ここからさらに方向へ
移動すると
と一次関数で近似できます。
つまり
二変数関数は偏微分により
と1次関数で近似できる。
ということになります。
例えば、なら
となるので
と近似することができます。
この式はが十分小さいときに成り立ちます。
著者:安井 真人(やすい まさと)
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