文字式
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「怪盗Xは今朝10時すぎに銀行へ押し入り、リンゴ3個を奪って逃走中…。」
といったように怪盗Xのように文字で置くことが日常的によくあります。このXと同じで数学でもよく数字を文字で置きます。ここでは、数字を文字で置くことの便利さについて解説します。
文字式は便利
数字をとりあえず文字で置いておくと便利です。例えば、
「円のリンゴを
個買ったら
円になりました」
といった感じになります。このように文字で置くことで先ほどの文章を
と簡潔にまとめることができます。この式に
としてやれば
と1000円になることがわかります。これらのことからわかると思いますが、文字で置くと
- 問題を整理できる
- 無駄な計算をしないで済む
という利点が生じます。先ほどの例のように文字で数字を置くことで、式で簡単に表現できました。また、式を変形することで複雑な問題も簡単にまとめることができます。とても便利な文字式なのでしっかりマスターしましょう。
「×」の省略
はじめに省略に関するルールを説明します。
「☓」の省略
文字式における掛け算は
とを省略して表記する。
このように省略することで式が簡単になってみやすいです。例えば
とかくより
と書いた方が見やすいですよね。足し算より掛け算を優先して計算するので、がくっついてくれた方がいいのです。文字式に慣れていけば、省略した方が便利なことがわかるかとおもいます。
文字式にかかわる用語
とくに覚える必要はないのですが、文字式にはいくつか用語があります。こんな用語があったなあ、くらいでいいので目を通しておいてください。
単項式と多項式
単項式と多項式
のように数や文字だけの積の形で表された式を単項式(たんこうしき)という。また、
のように単項式の和で表される式を多項式(たこうしき)という。多項式の各単項式を項(こう)という。
定義中の多項式
では、単項式がそれぞれ項となります。
以上の定義から、単項式は、項が一つの多項式ということもできますね。
同類項
次の用語である同類項の定義は以下のようになります。
同類項
文字の部分が同じである項を同類項(どうるいこう)という。
多項式:
の項の中で、が同類項となります。
同類項は一つの項にまとめることができます。たとえば、さきほどの多項式は
となります。
単項式での係数と次数
以下、単項式に関する用語です。
単項式における係数と次数
単項式の-3のように、数字の部分を係数(けいすう)という。
また、掛け合わせた文字の個数を次数(じすう)という。
なら、次数は2+1+1=4となります。
一方、係数は1です。
多項式での係数と次数
多項式においても係数と次数が存在します。以下が定義です。
多項式における係数と次数
同類項をまとめて整理した多項式において、各項の次数の中で最大の次数を、その多項式の次数という。また、次数がの多項式をn次式といい、次数が0の項を定数項(ていすうこう)といいます。
例えば、多項式
の場合の次数は、同類項をまとめると
であり、各項のうち最大次数のものはの3なので、この多項式の次数は3となります。
また、定数項を1となります。
お疲れ様でした。以上で用語の解説を終わります。たくさんありますが徐々に使いながら慣れていくといいでしょう。
- 文字式は問題を記述したり整理するのに役立つ
- 文字式では「☓」は省略する
- 「+」があれば多項式、なければ単項式
- 同類項はまとめて整理することができる
著者:安井 真人(やすい まさと)
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