複素数の極形式
カテゴリ:複素数

座標には直角座標の他に、極座標がありました。これと同様に複素数も極座標のような方法で記述できます。それが極形式です。ここでは、複素数の極形式表示について解説します。
複素数の極形式
平面上の点は原点からの距離とx座標との角度
により
と表示できます。複素数においても、任意の複素数を
で表現できます。これが極形式です。定義を以下にまとめます。
極形式
任意の複素数は
により記述できる。ここで、である。これを複素数の極形式と呼び、
を偏角といい
と記述する。
例えば、
なら、
となり
なので
となります。よって
が極形式となります。
極形式での乗法と除法
極形式では乗法と除法に対して以下の公式が成り立ちます。
極形式の乗法と除法
のとき
【乗法】
【除法】
が成り立つ。
まず、
とします。すると、加法定理を使って
となります。よって、
が得られます。
除法に関しても加法定理を使い
より
が得られます。
複素数の乗法と回転
先ほどの公式
からわかるように
をかけることは
- 長さ方向に
倍する
だけ回転する
という操作になります。
点から原点を中心に反時計回りに30°回転させた点を求めよ。
まず、(1,1)は複素数平面で
になります。そして、
をかければ30°回転するので
よりが解となります。
著者:安井 真人(やすい まさと)
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