ド・モアブルの定理
カテゴリ:複素数

複素数は極座標表示にすると簡単にn乗を計算することができます。それがド・モアブルの定理という複素数における基本的な定理です。ここでは、このド・モアブルの定理について解説します。また、ド・モアブルの定理を使って1のn乗根の計算を行います。
ド・モアブルの定理とは
ド・モアブルの定理とは以下の様な定理です。
ド・モアブルの定理
が整数のとき
が成り立つ。これをド・モアブルの定理という。
複素数の積は回転なので乗は
回転させることになります。
よって、ド・モアブルの定理が成り立ちます。
ではド・モアブルの定理を使って1のn乗根を計算してみましょう。いま、1のn乗根を
とします。ここで、はゼロ以上の実数で、
は
です。すると
でありはゼロ以上より
となります。よって
が得られます。ゆえに
となります。ここで、
なので
が解となります。
著者:安井 真人(やすい まさと)
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