弧度法
カテゴリ:幾何学

45°とか80°など角度を表すのによく「°」を使用します。なぜか小学生のときに角度は一周360°と教えられて、馴染んでいきます。いま思うと360°と設定した人はえらいですね。もし一周100°とかにしたら、ものすごく使いにくいですね。よく出てくる角度45°も12.5°になるし、60°も16.666°になってしまいます。
さて、今回は角度を表す別の表記法を学びます。それが弧度法(こどほう)というものです。弧度法もよく使用します。弧度法では、一周を360°にするというような考え方とは根本的に違う考え方をします。その考え方を理解していきましょう。
弧度法の考え方
さっそくですが、弧度法の根本的な考え方を説明します。弧度法では、角度を半径1の円上をどのくらいの距離あるいたか?で表現します。例えば、半径1の円周はなので、
360°は弧度法で
となります。45°なら一周の1/8なので弧度法で
となります。
普通の角度と弧度法による角度の変換
角度の変換は「円上をどれくらい歩いたか?」という考え方を理解していれば簡単にできます。では、を弧度法に変換します。
は360°と比べて
倍
の距離を歩いています。例えば、なら1/2倍歩くことになります。360°のときは
歩くので
ゆえに、が
を弧度法であらわしたものとなります。では弧度法に関する問題を解いていきましょう。
次の角度を弧度法であらわしてください。
20°
実際に変換するときは、180°はπということを使って比をとればOKです。
より内側と外側の積をとって
よって
が答えです。
次の弧度法での角を一般角へ変換してください。
1
πがなくて気持ち悪いかもしれませんが、πも数字でかけば3.14159…と実数なのでたいしてかわりません。
変換ではさきほどと同様に180°はπを利用して比をとります。
より内側と外側の積をとって、
より
となります。
【エクセルで三角関数を計算する際】
エクセルで三角関数を計算するとき、
などとすれば計算してくれます。エクセルでもそうですが
パソコンでの三角関数の計算は弧度法を使用します。
ですから、
と入力しても1は出力されません。
とやらないとだめです。
著者:安井 真人(やすい まさと)
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