円の中心角,弧,弦
カテゴリ:幾何学

重要な図形の一つに円があります。
ここでは円の基本的な用語である中心角、弧、弦などの定義を解説します。
そして、これらの性質についての解説も行います。
円とは
はじめに円の定義から始めます。
円とは、ある点との距離が等しくなる点の集合である。
このある点のことを円の中心と呼ぶ。
集合で書くと中心が原点で半径の円は以下のようになります。
円の中心角と弧と弦
円の用語として弧と弦があります。定義は以下のようになります。
中心角と弧と弦には以下の定理が成り立ちます。
中心角,弧,弦
- 等しい中心角に対する弧と弦の長さは等しい
- 等しい長さの弧に対する中心角と弦は等しい
- 等しい長さの弦に対する中心角と弧は等しい
以下の様な円と点A,B,C,Dを考えます。
(1)
中心角と半径が同じなので、扇形は合同になります。
よって、中心角が同じの同一円上の弧と弦の長さは等しくなります。
(2)
弧と半径が同じなので、扇形は合同になります。
よって、中心角が同じの同一円上の中心角と弦の長さは等しくなります。
(3)
弦と半径が同じなので、三角形は合同になります。
よって、が得られます。
中心角が等しいので、(1)より弧も等しくなります。
円の弦の性質
さらに円と弦には以下の性質があります。
弦の性質
- 円Oから弦ABに引いた垂線は、弦ABを2等分する
- 円Oから弦ABの垂直二等分線は円の中心を通る
(1)
円Oから弦ABに垂線を引いたとします。そして、交点をMとします。
すると、
であり、が共通であるので三平方の定理より
となります。よって、がなり立ちます。これは弦ABを二等分することを意味します。
(2)
弦ABの中点をMとします。そして、点OとMを結びます。
すると、
であり、は共通なので、
は合同になります。
よって、
・・・①
が得られます。
さらに、A,B,Mは直線上にあるので
・・・②
となります。①と②より
が得られます。これは直線OMは弦ABの垂直二等分線であることを意味します。
著者:安井 真人(やすい まさと)
@yasui_masatoさんをフォロー