数学的帰納法
カテゴリ:数列

みなさんはドミノ倒しをやったことがあるでしょうか?わたしは子供の頃、将棋のコマを並べてドミノ倒しをしていました。将棋のコマを立てて並べて、一番はじめのコマを倒すと連動して次のコマが倒れていきます。数学にもこのドミノ倒しの原理により証明する手法があります。それが数学的帰納法です。ここでは、数学的帰納法による証明方法について解説します。
どのような場合に数学的帰納法を使えるか
すべての自然数に対して事柄
が成り立つことを証明する際に、数学的帰納法を使います。例えば、
であることの証明に使えます。この場合の事柄は
であることです。
数学的帰納法による証明
実際に数学的帰納法を使って見たほうが理解が進みます。そこで、実際に数学的帰納法を用いて
を証明していきます。
n=1の場合に成立することを示す
数学的帰納法では、まず、のときを証明します。ドミノでいう最初のコマです。今回の証明では
(左辺)=1
(右辺)=
となります。ゆえにのときは成り立ちます。
n=kが成り立つならn=k+1が成り立つ
次に、が成り立つ場合に
が成り立つことを示します。これは
番目のドミノが倒れたら、
番目のドミノが倒れることを意味します。このことを示せば、
の場合は示しているので
の場合に成り立つ
が成り立つので、
も成り立つ
が成り立つので、
も成り立つ
が成り立つので、
も成り立つ
- …
となります。これによりすべての自然数で成り立つことになりますね。
ではが成り立つ場合に
が成り立つことを示します。
の場合が成り立つとすれば
が使えるので
が得られます。これはでも成り立つことを示しています。
まとめ
以上のことがら
のときに成り立つ
のときに成り立つとすれば、
でも成り立つ
と数学的帰納法により
が成り立つことが証明されました。
著者:安井 真人(やすい まさと)
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