「すべて」と「ある」
カテゴリ:集合と論理

数学では「すべて」や「ある」という論理をよく使います。
ここではこれらの用語について解説します。
「すべて」と「ある」
数学ではよく「すべて」とか「ある」とかの条件を使います。
以下にこれら用語の定義を述べます。
すべて・ある
ある集合のすべての要素に対して条件
が成り立つとき
と表記する。また、集合のある要素に対して条件
が成り立つとき
と表す。
例1)
は「すべての実数に対して、
が成り立つ」という意味です。
この場合、の場合が成り立たないので偽となります。
例2)
一方、
は「ある実数に対して、
が成り立つ」という意味です。
この場合、のとき、
が成り立つので真となります。
否定
「すべて」と「ある」の否定は以下のようになります。
否定
の否定は
の否定は
ただ、「すべて」と「ある」をひっくり返して、条件を否定するだけです。
(1)
命題は、が成り立つ
の部分集合を
とすれば
となります。この否定なので
となります。よって、に属さない
の要素
があるということになります。
よって、
が否定として得られます。
(2)
命題「」は
を表しています。よって、この否定は
となります。つまり、に属する
はないことを意味します。よって、
が否定となります。
以下の命題の否定と真偽を調べよ。
「」
否定は
「」
となります。これはのとに成り立たないので偽になります。
著者:安井 真人(やすい まさと)
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