スカラー関数の線積分
カテゴリ:ベクトル解析

スカラー関数の線積分について解説します。まず、ためしに線積分で円の円周を求めてみます。
線積分では経路を最初に設定します。
ここでは、(1,0)を開始点で時計回りに一周する経路をと置くことにします。次にこの経路
を
当分していきます。そして、
番目の線の長さを
と置きます。すると、経路の全長は
となります。ここで極限としたものを
とかきます。今回のように開始点と終了点が同じ場合は周回積分といい
と書いたりします。ここで、
←(弧長)=(半径)×(角度)
なので、
となります。
では続いて、今座標を
とし、微小距離
進むと
円もらえるとします。このとき、経路
を一周したらいくらもらえるか計算してみましょう。さきほどと同じように考えればもらえるお金は
となります。ここで
なので、
となります。つまり、0円です。xが正の場合はお金をもらえるのですが、負のときは払わないといけないのでキャンセルされてしまうからです。
以上の例のようにスカラー関数に対して経路
で積分することを線積分といい
とかきます。もし、開始点と終了点が同じ場合は一周することを強調して
とかくことがあります。
著者:安井 真人(やすい まさと)
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