ベクトル関数の面積分
カテゴリ:ベクトル解析

z=1の位置に正方形があります。z軸から光が注いできた際の正方形がつくる影の面積を計算します。
もちろん、影の面積は
1×1=1
となることは図からわかると思います。これをベクトル関数の面積分で計算します。
まず、正方形の面をと名付けます。そして面
を微小領域に分割していきます。ここで、面積ベクトルというベクトル
を導入します。このベクトルは向きが微小領域の面に垂直な方向で、大きさが微小領域の面積となります。微小領域に垂直な方向は二つありますが、今回はz軸を正にとることにします。こうすると、影の面積は
と表せます。次に面積ベクトルをもとめると
となります。よって
となります。
続いて、半球に光がz方向から照らされた際にできる影について計算します。当然,
となることはわかるかと思います。これを面積分で計算します。
まず、面積ベクトルを図のように原点から外側を正としてとります。すると
なので
となります。ここで
です。よって、
で、
なので
が得られます。これを積分すれば
,
,
,
,
が得られます。
このようにベクトル関数と領域
に対して
をベクトル関数の面積分といいます。
著者:安井 真人(やすい まさと)
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