場合の数
カテゴリ:確率

場合の数の計算は、すべての場合の数を書き出せばわかります。ただ、場合の数が大きいとこの方法では骨がおれます。そこで、ここでは積の法則を学び、場合の数を計算できるようにする方法を紹介します。
積の法則
いま、以下のように2つの分岐点AとBがあります。
- 分岐点Aでは、3種類の分岐
- 分岐点Bでは、2種類の分岐
があります。このとき、始点から終点へ行くまでの道のりは何種類あるでしょうか?難しそうですが、書き出してみると
となります。これから、
で計算できることがわかります。
以上のようにある通りの事象A、
通りの事象Bがあって、これらが同時に起こる場合
が起こりうるすべての事象となります。これを、積の法則といいます。
順列
では、積の法則を使って問題をといてみます。まず、赤・青・黄色のボールがあったとします。これら3つのボールから2つ並べる場合の数を計算します。
計算するために
事象A:3つのボールからひとつ選ぶ
事象B:残った2つのボールから一つ選ぶ
という事象に分解して考えます。これらの事象は同時に起こるので、積の法則を用いることができます。そして、事象Aは3通り、事象Bは2通りなので、
より6通りになります。
今回の問題のように異なるものからいくつか選んで、順に並べる操作を順列(じゅんれつ)といいます。
順列の場合はよくあるので、順列の場合の数をとかき、
この異なる要素から、
こ選んで並べる場合の数となります。これを計算すると、
- 1回目のチョイス:
- 2回めのチョイス:
- 3回目のチョイス:
- ・・・
回目のチョイス:
なので
となります。ですから、先ほどの3つのボールから2つ選んで順に並べる場合の数は
と計算できます。
組み合わせ
では今度は、ただ選ぶだけの場合の数も考えます。いま、5つの数字「1,2,3,4,5」があります。これらの数字から3つ選択する場合の数を考えてみましょう。
まず、5つの数字から、3つ選んで並べる場合の数は、
となることを学びました。これらには、
などの組み合わせが重複されているので、重複を取り除く必要があります。3つの数字の組(1,2,3)の場合の数は、3つの数字から3つ選んで並べた場合の数なので
となります。ここで、は3の階乗(かいじょう)と呼び
を意味します。
話が飛びましたが、重複はということがわかったので、重複分を割って
となります。よって10通りです。
以上の議論を一般化すると、個の数字から
こ選ぶ場合の数
は
となります。これが組み合わせの公式です。使えるようにしておきましょう。
著者:安井 真人(やすい まさと)
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