数列の極限の公式1
カテゴリ:微積分

前回、数列の極限について
「任意の正数について、ある自然数
を選べば、
なら
となる。このとき、数列
は
へ収束するという。」
と定義しました。ここでは、この定義を用いていくらか定理を導きます。
部分数列の収束
収束する数列の部分数列も、もとの極限値に収束します。
この定理の例として
,
を考えましょう。まず、は
であり、は
であることから、数列は数列
の部分数列となります。そして、両方の数列は同じ極限0へ収束します。これが定理で言っていることです。当たり前のことを言っているわけですね。
では、証明していきます。まず、数列を準備し
は
の部分数列とします。
そして、
へ収束するとします。このとき
となることを証明すればいいことになります。
まず、極限の定義に従い、正の実数を任意にとります。そして、
で
が成り立つようながあることを示します。
は
の部分数列なので
・・・(1)
となるがあって
なので
が任意ので成り立ちます。これは
,
とならべてみると理解しやすいと思います。そして、が
へ収束するので、
で
・・・(2)
となる自然数を取ることができます。すると式(1)より
が成り立つことと
なので式(2)より
が成り立ちます。これで数列が
へ収束することがいえました。
著者:安井 真人(やすい まさと)
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