単調数列の収束性
カテゴリ:微積分
単調数列
単調増加数列とは
1,1,1,2,2,2,3,3,3,4,4,4,5,5,5,…
といったように常に上昇し続ける数列のことです。
一方、単調減少数列とは
10,10,9,2,1,-8,…
といったように常に減少し続ける数列のことです。
単調増加数列と単調減少数列をまとめて単調数列と呼びます。
以下の単調数列の収束性に関する定理を証明します。
定理
有界な単調数列は収束する
解説
単調減少数列の例としてがあげられます。
この関数は全ての自然数に関して
なので、上にも下にも有界です。
この定理は
「単調に増加していっても、上に限界があれば頭打ちになる」
ということをいっているだけです。
では証明していきます。
証明
いま数列を単調増加数列とします。
この数列は上に有界なので、上限が存在します(この定理より)。
この上限が数列の極限となることを証明します。
そこで任意の正数をとります。すると
・・・(1)
となる自然数が存在します。
なぜなら、もし存在しないとが上界となり、上界の最小値である上限
よりも小さい上界
が存在してしまうからです。
これは上限の定義に反します。
また、は単調増加数列なので
として、(1)より
,
・・・(2)
が成り立ちます。または上限なので
・・・(3)
が成り立ちます。(2)と(3)より
がで成り立ちます。
これは
を意味します。
これで証明終了です。
単調減少数列も同様にして証明できます。
著者:安井 真人(やすい まさと)
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