集積点
カテゴリ:微積分
いま二次元の点列を考えます.ここで
であり,は自然数です.
この点列は点の付近に無数の点が集まってきます.
このように,ある点付近に無数の点があるところを集積点と呼びます.
集積点に関して以下の定理が成り立ちます.
定理9.有界な無数の点の集合に関して,集積点は必ずある.
さきほど述べた点列がその例です.
有限な枠の中に無限個の点を打てば,どこかに無限個の点が含まれる部分があるということです.
証明
各次元について証明できますがわかりやすくするため,2次元についてのみ証明します.
まず,無数の点の集合は有限なので,ある正方形で囲むことができます.
そして,を4等分します.
すると,領域が4つできて少なくとも一つの領域に無数の点があるはずです.
それを一つ選んでとします.
同様に4等分して,無数の点を含む領域を選んでいけば
となっていきます.ここで,の最小の座標を
とすれば
,
となります.定理6「有界な単調数列は収束する」よりこれら二つはある値へ収束します.その値を
とします.
次にこの収束した点が集積点であることを証明します.
点Pを含むどんなに小さな領域をとっても,の
を大きく取れば小さな領域に
が含まれます.
よって,点Pを含む任意の領域はを含むことになり,無限な点も含まれることになります.
よって、Pは集積点となります.
以上で定理9は証明されました.
著者:安井 真人(やすい まさと)
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